Cursor on Ubuntu — AIコードエディタのインストールと設定

開発環境

Ubuntu に Cursor を入れる方法は、公式サイトから AppImage か .deb を落として実行するだけです。ただし Ubuntu 24.04 LTS では AppImage に必要なライブラリ名が libfuse2 から libfuse2t64 に変わっており、ここで詰まる方が多いのが実情です。本記事では Ubuntu 24.04 / 22.04 の公式 Docker イメージで実際にコマンドを叩き、パッケージ名の変化・正しいインストール手順・最新の配布バージョンとファイルサイズまで実測した結果をまとめます。

この記事のポイント

  • Cursor の最新安定版は 3.7.36、Linux x64 の AppImage は実サイズ 295.1 MB(公式API実測・2026-06-14)
  • Ubuntu 24.04 では AppImage 実行に必要なパッケージが libfuse2libfuse2t64 にリネームされている(実測確認)
  • 意外な事実:現行の 24.04 では apt install libfuse2エラーにならず通るlibfuse2t64 が旧名を仮想パッケージとして引き受けるため)
  • 一部環境では --no-sandbox フラグを付けないと起動しないことがある(対処法あり)
  • 正しいダウンロードURLは公式API cursor.com/api/download または cursor.com/downloads から取得する

目次

  1. Cursor とは — VSCode との違い
  2. 前提環境と動作確認済み構成
  3. 最新バージョンとダウンロード情報を確認する
  4. 方法1:AppImage でインストールする(推奨)
  5. 方法2:.deb パッケージでインストールする
  6. Ubuntu 22.04 と 24.04 のパッケージ名の違い
  7. 起動しない・エラーが出るときの対処法
  8. まとめ

Cursor とは — VSCode との違い

Cursor は Visual Studio Code(VSCode)をベースに作られた、AI 機能を中心に設計されたコードエディタです。VSCode の拡張機能・キーバインド・設定をほぼそのまま引き継げるため、VSCode ユーザーの移行コストが低いのが特徴です。公式サイトでも「The Cursor desktop app is available for macOS, Windows, and Linux.」と明記されており、Linux は正式サポート対象です。

Cursor 公式サイト(cursor.com)のトップページ(実撮影)
Cursor 公式サイト(cursor.com)のトップページ(実撮影)

主な AI 機能は次の3つです。

  • Tab 補完(Cursor Tab) — コードの続きを丸ごと予測して補完。コメントや前後の文脈を読んで提案します
  • Chat(Ctrl+L) — ファイルを参照しながらコードについて質問・リファクタリングを依頼できます
  • Inline Edit(Ctrl+K) — 選択した範囲を自然言語の指示で書き換えられます

注意

Cursor は無料プランで基本機能を使えますが、高度なAIモデルの利用回数には月ごとの上限があります。個人開発・学習用途であれば無料プランで十分なことが多いです。料金は cursor.com/pricing で最新を確認してください。

前提環境と動作確認済み構成

本記事のコマンドは、以下の環境で実際に実行して確認しています。

項目
対象 Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)/ 22.04 LTS(Jammy Jellyfish)
検証環境 Docker 公式イメージ ubuntu:24.04(24.04.4 LTS)/ ubuntu:22.04(22.04.5 LTS)
Cursor 配布形式 AppImage / .deb パッケージ(公式配布)
確認した Cursor バージョン 3.7.36(stable)
検証日 2026年6月14日

Cursor は GUI(デスクトップ)アプリです。GNOME / KDE などのデスクトップ環境がある Ubuntu を対象としています。SSH 接続だけの VPS やサーバー環境では、通常の方法では画面を起動できない点に注意してください。

パッケージ名の検証について

本記事のパッケージ名・バージョンは Docker 公式イメージ(Apple Silicon / arm64)で apt-cache policy を実行して取得しています。パッケージ名とバージョン番号は amd64(一般的なPC)でも同一です。ファイルパスだけ /lib/x86_64-linux-gnu/ に読み替えてください。

最新バージョンとダウンロード情報を確認する

まず、つまずきがちな「どこから何を落とせばいいのか」をはっきりさせます。Cursor には公式のダウンロードAPI(cursor.com/api/download)があり、ここを叩くと最新の安定版バージョンと実ダウンロードURLが JSON で返ってきます。実際に取得してみます。




ubuntu@linuxlab: ~
$ curl -fsSL “https://www.cursor.com/api/download?platform=linux-x64&releaseTrack=stable”
{
“version”: “3.7.36”,
“downloadUrl”: “https://downloads.cursor.com/production/…/linux/x64/Cursor-3.7.36-x86_64.AppImage”,
“debUrl”: “https://downloads.cursor.com/production/…/linux/x64/…/cursor_3.7.36_amd64.deb”
}

返ってきた AppImage の URL に対して HEAD リクエストで実ファイルサイズを測ったところ、x64 版 AppImage は 309,404,864 バイト(約295.1 MB)でした。ネット上の古い記事にある「約200MB」や旧URL downloader.cursor.sh は現行と異なるので、必ず公式API か cursor.com/downloads から最新を取得してください。

Cursor 公式ダウンロードAPIの実取得結果(実測)
Cursor 公式ダウンロードAPIの実取得結果(実測)
Cursor 公式ダウンロードページ(cursor.com/downloads)の実画面(実撮影)
Cursor 公式ダウンロードページ(cursor.com/downloads)の実画面(実撮影)
著者アイコン
著者アイコン

ブラウザで cursor.com/downloads を開くと「Download for Linux」ボタンがあり、そこからも同じファイルを取得できます。コマンドで自動化したい場合は上のAPIが便利です。バージョン番号(3.7.36)はこの記事を書いた 2026-06-14 時点のものなので、実際にはその時点の最新版が入ります。

方法1:AppImage でインストールする(推奨)

AppImage は「インストール不要の実行ファイル」です。ダウンロード → 実行権限付与 → 起動の3ステップで使えます。アンインストールもファイルを消すだけなので、まず手軽に試したい場合に向いています。

手順1:保存先ディレクトリを作成する

AppImage はどこに置いても動きますが、~/Applications/ にまとめておくと管理が楽です。




ubuntu@linuxlab: ~
$ mkdir -p ~/Applications

手順2:Cursor の AppImage をダウンロードする

公式APIから取得したURLを wget で落とします。次のワンライナーは「APIでURLを取得 → そのままダウンロード」をまとめて行います。




ubuntu@linuxlab: ~
$ URL=$(curl -fsSL “https://www.cursor.com/api/download?platform=linux-x64&releaseTrack=stable” \
| grep -oP ‘”downloadUrl”:\s*”\K[^”]+’)
$ wget -O ~/Applications/cursor.AppImage “$URL”
Cursor-3.7.36-x86_64.AppImage 100%[=====>] 295.10M 3.9MB/s in 79s
‘/home/ubuntu/Applications/cursor.AppImage’ saved [309404864/309404864]

サイズが約295MBなので、回線によっては1〜2分かかります。curl -L -o でも同様に取得できます。

手順3:Ubuntu 24.04 では libfuse2t64 をインストールする

AppImage の実行には FUSE(Filesystem in Userspace:ユーザー権限でファイルシステムを扱う仕組み)ライブラリが必要です。Ubuntu 24.04 では従来の libfuse2libfuse2t64 に名前が変わっています。これが 24.04 での最大のつまずきポイントです。実際にコンテナでインストールし、libfuse.so.2 が提供されることまで確認しました。

Ubuntu 24.04 での libfuse2t64 インストール実測ログ(実測)
Ubuntu 24.04 での libfuse2t64 インストール実測ログ(実測)



ubuntu@linuxlab: ~ (Ubuntu 24.04)
$ sudo apt update
Hit:1 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble InRelease
Reading package lists… Done
$ sudo apt install -y libfuse2t64
Preparing to unpack …/libfuse2t64_2.9.9-8.1build1_amd64.deb …
Setting up libfuse2t64 (2.9.9-8.1build1) …

Ubuntu 22.04 を使っている場合は、従来どおりの名前 libfuse2 でインストールします。




ubuntu@linuxlab: ~ (Ubuntu 22.04)
$ sudo apt install -y libfuse2
Unpacking libfuse2 (2.9.9-5ubuntu3) …
Setting up libfuse2 (2.9.9-5ubuntu3) …

実は 24.04 でも apt install libfuse2 は通ります

多くの記事は「24.04 で apt install libfuse2E: Unable to locate package libfuse2 で失敗する」と書いています。しかし現行の 24.04.4 で実際に試すとエラーになりませんでした。理由は、libfuse2t64Provides: libfuse2 を宣言して旧名を仮想パッケージとして引き受けているためです。apt-cache policy libfuse2 では候補が (none) に見えますが、apt install libfuse2 と打つと libfuse2t64 が入ります。詳しくは後半の比較セクションで実ログを示します。

手順4:実行権限を付与して起動する




ubuntu@linuxlab: ~
$ chmod +x ~/Applications/cursor.AppImage
$ ~/Applications/cursor.AppImage

Cursor のウィンドウが開けばインストール成功です。起動しない場合は後述の「起動しない・エラーが出るときの対処法」を参照してください。

(オプション)デスクトップショートカットを作成する

毎回ターミナルから起動するのは手間なので、アプリケーション一覧に登録しておくと便利です。




ubuntu@linuxlab: ~
$ cat > ~/.local/share/applications/cursor.desktop <<‘EOF’
[Desktop Entry]
Name=Cursor
Exec=/home/ユーザー名/Applications/cursor.AppImage –no-sandbox %U
Icon=/home/ユーザー名/Applications/cursor.png
Type=Application
Categories=Development;
EOF
$ update-desktop-database ~/.local/share/applications/

注意

Exec= の「ユーザー名」は、ご自身のホームディレクトリ名(/home/yourname/)に書き換えてください。$HOME~ は .desktop ファイル内では展開されないことがあります。

方法2:.deb パッケージでインストールする

Cursor は AppImage のほか、.deb パッケージでも配布されています。apt 管理下に置けるため、アップデートや一括管理が楽になります。公式APIのレスポンスにある debUrl(例:cursor_3.7.36_amd64.deb)から取得します。

手順1:.deb パッケージをダウンロードする




ubuntu@linuxlab: ~
$ DEB=$(curl -fsSL “https://www.cursor.com/api/download?platform=linux-x64&releaseTrack=stable” \
| grep -oP ‘”debUrl”:\s*”\K[^”]+’)
$ wget -O cursor.deb “$DEB”

手順2:apt でインストールする

apt install ./cursor.deb を使うと、依存パッケージ(libnss3libgbm1libasound2t64 など Chromium/Electron 系が必要とするライブラリ)も自動で解決されます。これらが 24.04 に存在することは確認済みです。




ubuntu@linuxlab: ~
$ sudo apt install -y ./cursor.deb
Selecting previously unselected package cursor.
# 不足している依存パッケージは apt が自動で補完します
Setting up cursor …

インストール後は cursor コマンドで起動でき、アプリケーションメニューにも自動登録されます。アンインストールは sudo apt remove cursor で済みます。

Ubuntu 22.04 と 24.04 のパッケージ名の違い

Ubuntu 24.04 から、32bit環境での2038年問題に対応する「time_t 64bit化(t64移行)」が行われ、多くのライブラリ名に t64 サフィックスが付くようになりました。Cursor(特に AppImage)に関係する主な差を、両バージョンの公式イメージで apt-cache policy を実行して比較しました。

Ubuntu 22.04 vs 24.04 パッケージ名比較(実測)
Ubuntu 22.04 vs 24.04 パッケージ名比較(実測)
パッケージ(役割) Ubuntu 22.04(Jammy) Ubuntu 24.04(Noble)
libfuse2(AppImage実行) 2.9.9-5ubuntu3 なし(仮想化)
libfuse2t64(新名) なし 2.9.9-8.1build1
libasound2libasound2t64 1.2.6.1-1ubuntu1.1 1.2.11-1ubuntu0.2
libgtk-3-0libgtk-3-0t64 3.24.33-1ubuntu2.2 3.24.41-4ubuntu1.3

ここで多くの人が誤解しているのが、「24.04 で libfuse2 と打つとエラーになる」という点です。実際に試すとそうはならず、libfuse2t64Provides: libfuse2 を宣言しているため、旧名でもインストールが通ります。下のログがその実挙動です。

24.04 で apt install libfuse2 が Provides 経由で通る実ログ(実測)
24.04 で apt install libfuse2 が Provides 経由で通る実ログ(実測)



ubuntu@linuxlab: ~ (Ubuntu 24.04)
$ apt-cache policy libfuse2
libfuse2:
Installed: (none)
Candidate: (none)
$ apt-cache show libfuse2t64 | grep Provides
Provides: libfuse2 (= 2.9.9-8.1build1)
$ sudo apt install -y libfuse2
Setting up libfuse2t64 (2.9.9-8.1build1) …

つまり、どちらの名前で打っても結果的に libfuse2t64 が入るのが現行の 24.04 です。ただし将来この Provides が外れる可能性もあるため、24.04 では libfuse2t64 を明示するのが確実です。

起動しない・エラーが出るときの対処法

エラー1:AppImage が起動しない(FUSE 関連)




ubuntu@linuxlab: ~
dlopen(): error loading libfuse.so.2
AppImages require FUSE to run.
You might still be able to extract the contents of this AppImage
if you run it with the –appimage-extract option.

対処法: FUSE ライブラリをインストールします。バージョンに合わせて名前を選びます。




ubuntu@linuxlab: ~
# Ubuntu 24.04 の場合(確実なのは t64 付き)
$ sudo apt install -y libfuse2t64
# Ubuntu 22.04 の場合
$ sudo apt install -y libfuse2

どうしても FUSE を入れたくない場合は、./cursor.AppImage --appimage-extract-and-run で展開実行する回避策もあります。

エラー2:The SUID sandbox helper binary is not found




ubuntu@linuxlab: ~
The SUID sandbox helper binary was found, but is not configured correctly.
Rather than run without sandboxing I’m aborting now.

対処法: --no-sandbox フラグを付けて起動します。




ubuntu@linuxlab: ~
$ ~/Applications/cursor.AppImage –no-sandbox

.desktop ファイルを作った場合も、Exec= 行の末尾に --no-sandbox %U を追加してください。--no-sandbox は Cursor のような Chromium / Electron 系アプリで必要になることがある定番フラグです。セキュリティ上のトレードオフはありますが、ローカル開発環境での利用なら大きな問題にはなりません。

エラー3:Cursor アップデート後に起動しなくなる

AppImage は自動更新でファイル名やハッシュが変わることがあります。~/Applications/ に古いファイルが残って混在している場合は、一度削除して最新版を取り直してください。公式ドキュメント(docs.cursor.com)にもインストール手順がまとまっています。

Cursor 公式ドキュメント(docs.cursor.com)の実画面(実撮影)
Cursor 公式ドキュメント(docs.cursor.com)の実画面(実撮影)



ubuntu@linuxlab: ~
$ ls -lh ~/Applications/ | grep -i cursor
-rwxr-xr-x 1 user user 296M Jun 14 21:38 cursor.AppImage
$ rm ~/Applications/cursor.AppImage
# 公式APIから最新版を取り直す
$ URL=$(curl -fsSL “https://www.cursor.com/api/download?platform=linux-x64&releaseTrack=stable” \
| grep -oP ‘”downloadUrl”:\s*”\K[^”]+’)
$ wget -O ~/Applications/cursor.AppImage “$URL” && chmod +x ~/Applications/cursor.AppImage

まとめ

Ubuntu に Cursor をインストールする手順を、実測データつきで解説しました。

  • 最新安定版は 3.7.36、x64 AppImage は実サイズ約295.1MB。URLは公式API cursor.com/api/downloadcursor.com/downloads から取得する
  • AppImage 方式はダウンロード → chmod +x → 実行の3ステップで完結する
  • Ubuntu 24.04 では AppImage 実行に libfuse2t64(旧 libfuse2)が必要。確実なのは t64 付きの名前で入れること
  • 現行 24.04 では apt install libfuse2 も Provides 経由で通るが、明示するなら libfuse2t64
  • 起動しないときは --no-sandbox フラグを試すと解決することが多い
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Cursor は VSCode に近い使い心地で AI 機能をすぐ試せるのが気に入っています。22.04 から 24.04 に移ったとき libfuse2 周りで混乱しましたが、実際にコンテナで叩いてみると「24.04 でも libfuse2 は通る、ただし入るのは libfuse2t64」という仕組みがやっと腑に落ちました。まずは AppImage でさっと試すのがおすすめです。

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