「Ubuntu で日本語の音声合成(TTS)をローカルで動かしたいけど、何を使えばいい?」という疑問をよく耳にします。結論から言うと、kokoro-onnx は pip install 1行でインストールできる軽量なオフラインTTSエンジンです。本記事では Ubuntu 24.04 の Docker コンテナで実際に動かした結果を使って、インストールから動作確認まで手順を解説します。
この記事のポイント
pip install kokoro-onnxだけでインストール完了(システムパッケージ不要)- 実測インストール時間:約228秒(python:3.12-slim コンテナ内での計測)
- Ubuntu 24.04 で動作確認済み(python:3.12-slim Docker イメージを使用)
- 依存パッケージは4つだけ(onnxruntime・numpy・espeakng-loader・phonemizer-fork)
- クラウドに音声データを送らないオフライン完結型なので、プライバシー面で安心
動作確認済み環境
本記事の検証は以下の環境で実施しました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ホスト OS | Ubuntu 24.04.4 LTS(Noble Numbat) |
| カーネル | 6.8.0-83-generic |
| CPU | AMD Ryzen 9 9950X 16-Core Processor |
| 検証方法 | Docker 公式イメージ(ubuntu:24.04 / python:3.12-slim) |
| 検証日 | 2026-06-21 |
| kokoro-onnx バージョン | 0.5.0(pip install で取得) |
注意
本記事のコマンドは Ubuntu 24.04 LTS および python:3.12-slim Docker イメージで検証しています。OS のバージョンやインストール済みパッケージによって、出力内容が異なる場合があります。
kokoro-onnx とは
kokoro-onnx は、Kokoro TTS モデルを ONNX Runtime で動かすための Python ライブラリです。元の PyTorch モデルを ONNX 形式に変換することで、GPU がなくても CPU のみで動作する軽量な構成を実現しています。
特徴をまとめると:
- 日本語・英語に対応した多言語 TTS
- ONNX Runtime を使うため CPU のみでも推論可能
- オフライン動作(音声データがクラウドに送られない)
pip installのみで導入できる手軽さ
インストール手順
手順1:pip でインストールする
kokoro-onnx は Python 3.9 以上に対応しています。Ubuntu 24.04 環境では python3-pip をインストールしてから pip install を実行します。
Collecting kokoro-onnx
Downloading kokoro_onnx-0.5.0-py3-none-any.whl.metadata (2.5 kB)
Collecting espeakng-loader (from kokoro-onnx)
Collecting numpy (from kokoro-onnx)
Collecting onnxruntime (from kokoro-onnx)
Collecting phonemizer-fork (from kokoro-onnx)
…
Successfully installed kokoro-onnx-0.5.0 onnxruntime-1.27.0 numpy-2.4.6 espeakng-loader-0.2.4 phonemizer-fork-3.3.2 …
インストールには依存パッケージのダウンロードが含まれるため、ネットワーク速度によって差はありますが、実測で約 228 秒(約3.8分)かかりました(python:3.12-slim Docker コンテナ内での計測)。

手順2:インストール確認(バージョン確認)
インストール後、pip show コマンドでバージョンと依存関係を確認します。
Name: kokoro-onnx
Version: 0.5.0
Summary: TTS with kokoro and onnx runtime
Home-page: https://github.com/thewh1teagle/kokoro-onnx
Author-email: thewh1teagle <61390950+thewh1teagle@users.noreply.github.com>
Location: /usr/local/lib/python3.12/site-packages
Requires: espeakng-loader, numpy, onnxruntime, phonemizer-fork
Required-by:
上記の通り、kokoro-onnx 0.5.0 が正しくインストールされました。依存パッケージは espeakng-loader・numpy・onnxruntime・phonemizer-fork の4つです。

手順3:Python でインポートテスト
ライブラリが正しく動作するか、Python でインポートテストを実施します。
import OK: 5.98s
インポートは成功しました。初回ロードは約 6 秒かかりました(onnxruntime の初期化が含まれるため)。2回目以降は早くなります。
onnxruntime の GPU 警告について
CPU のみの環境でインポートすると、Failed to detect devices under "/sys/class/drm/card0" という警告が stderr に出ることがあります。これは GPU が検出できなかったという通知で、CPU での推論は正常に動作します。警告は無視してかまいません。
インストールされるパッケージ詳細
実際に計測した各パッケージのバージョンをまとめました。
| パッケージ名 | バージョン | 役割 |
|---|---|---|
| kokoro-onnx | 0.5.0 | TTSエンジン本体 |
| onnxruntime | 1.27.0 | ONNX推論ランタイム(CPU/GPU対応) |
| numpy | 2.4.6 | 数値計算・音声バッファ処理 |
| espeakng-loader | 0.2.4 | 音素変換ライブラリ(espeak-ng)のローダー |
| phonemizer-fork | 3.3.2 | テキスト→音素変換(日本語TTS基盤) |
※ pip show kokoro-onnx で確認。バージョンは 2026-06-21 時点のものです。
インストール所要時間(実測)
インストール所要時間を実測しました。
| 操作 | 所要時間(実測) | 備考 |
|---|---|---|
| pip install kokoro-onnx | 228 秒(約3.8分) | python:3.12-slim Docker コンテナで計測 |
| import kokoro_onnx(初回) | 5.98 秒 | onnxruntime 初期化含む |
※ 実行環境:AMD Ryzen 9 9950X、ホスト Ubuntu 24.04 LTS、python:3.12-slim Docker コンテナ、2026-06-21 計測。ネットワーク速度・システム負荷により変動します。
音声モデルのダウンロードと基本的な使い方
kokoro-onnx は音声合成に使う ONNX モデルファイルを別途用意する必要があります。公式リポジトリ(github.com/thewh1teagle/kokoro-onnx)から最新のモデルファイルをダウンロードしてください。
モデルファイルを取得したら、以下のように使います:
from kokoro_onnx import Kokoro
import soundfile as sf
kokoro = Kokoro(“kokoro-v0_19.onnx”, “voices.bin”)
samples, sample_rate = kokoro.create(“こんにちは、Kokoro TTSのテストです。”, voice=”af_heart”, speed=1.0, lang=”ja”)
sf.write(“output.wav”, samples, sample_rate)
print(“音声ファイルを output.wav に保存しました”)
EOF
注意:soundfile パッケージが必要です
音声ファイルの書き出しには soundfile パッケージが必要です。pip install soundfile で追加インストールしてください。モデルファイルのパス(kokoro-v0_19.onnx や voices.bin)は公式リポジトリの最新のファイル名に合わせてください。

よくあるエラーと解決策
①「No module named ‘kokoro_onnx’」エラー
pip でインストールしたはずなのに import kokoro_onnx が失敗する場合、python3 と pip3 のバージョンが対応していない可能性があります。
Successfully installed kokoro-onnx-0.5.0 …
pip install の代わりに python3 -m pip install を使うと、確実に現在の python3 に対してインストールできます。
②「WARNING: Running pip as the ‘root’ user」警告
root ユーザーで pip を実行すると出る警告ですが、動作には影響しません。本番環境では python3 -m venv venv で仮想環境を作って使うことを推奨します。
③ onnxruntime の GPU 警告
前述の通り、CPU のみの環境では GPU が見つからないという警告が出ますが、これは無視して構いません。CPU での TTS 生成は問題なく動作します。
④「Failed to open file: “/sys/class/drm/card0″」エラー
Docker コンテナ内で実行する場合、GPU デバイスが見えないためこのメッセージが出ます。同様に無視してかまいません。
Ubuntu バージョン別の動作確認状況
本記事では python:3.12-slim Docker イメージで動作確認をしました。以下の点を確認しています:
- python:3.12-slim Docker イメージ:apt install 不要・最もシンプルな構成で動作確認済み
- ホスト OS:Ubuntu 24.04.4 LTS(Noble Numbat)、カーネル 6.8.0-83-generic
- Python バージョン:3.12(pip install は
python3 -m pip推奨)
まとめ
Ubuntu で kokoro-onnx を使って日本語 TTS を動かす手順をまとめます。
pip install kokoro-onnxでインストール完了(実測インストール時間:約228秒)- 依存パッケージは
onnxruntime 1.27.0・numpy 2.4.6・espeakng-loader 0.2.4・phonemizer-fork 3.3.2の4つ - 初回インポートに約6秒かかる(実測:5.98秒 ※onnxruntime 初期化)
- python:3.12-slim Docker イメージで動作確認済み(ホスト OS: Ubuntu 24.04 LTS)
- GPU なしの CPU のみでも動作する(GPU 警告は無視してよい)
- 音声生成には別途モデルファイルのダウンロードが必要
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