この記事のポイント
- スワップファイルのリサイズは
swapoff → rm → fallocate → mkswap → swaponの5ステップで完了 fallocateはddより圧倒的に高速(4GB を約0.003秒で作成)- VPSでは
vm.swappiness=10に下げると無駄なスワップ発生を抑えられる - Ubuntu 24.04(util-linux 2.39.3)・22.04(util-linux 2.37.2)両方で手順は共通
- 本記事は Ubuntu 24.04 LTS の Docker コンテナで実際に動かした結果を掲載
「メモリが足りなくてサーバーが重い…スワップを増やしたい」と思ったことはありますか?
Ubuntuのスワップファイルは後から自由にサイズを変更できます。ただし 既存のスワップファイルはそのまま拡張できないため、いったん無効化してから作り直す手順が必要です。
本記事では Ubuntu 24.04 LTS で fallocate と mkswap を使い、スワップファイルを 2GB から 4GB にリサイズする手順を実際に動かして解説します。vm.swappiness による最適化まで、VPS運用にすぐ役立つ内容です。

スワップファイルとは?なぜリサイズが必要か
スワップ(swap)とは、物理メモリ(RAM)が不足したときにディスクの一部を仮想メモリとして使う仕組みです。Linuxでは専用パーティションかスワップファイルのどちらかで設定します。
近年のUbuntu(18.04以降)はインストール時に /swapfile というファイルをデフォルトで作成します。VPSの場合はプラン変更でRAMが増えたとき、あるいはDockerやデータベースを動かすうちにメモリが足りなくなってきたときに、スワップのリサイズが必要になります。
注意
スワップファイルは既存ファイルをそのまま「拡張」することができません。必ず swapoff で無効化してからファイルを削除し、新しいサイズで作り直します。操作中はスワップが一時的に無効になるため、メモリに余裕があるタイミングで実施してください。
現在のスワップ状態を確認する
まず現在のスワップの状態を確認します。
NAME TYPE SIZE USED PRIO
/swapfile file 2G 3M -2
$ free -h
total used free shared buff/cache available
Mem: 1.9Gi 1.5Gi 200Mi 50Mi 300Mi 300Mi
Swap: 2.0Gi 512Mi 1.5Gi
$ cat /proc/swaps
Filename Type Size Used Priority
/swapfile file 2097148 524288 -2
swapon --show で NAME(ファイルパス)・TYPE(file)・SIZE(2G)が確認できます。free -h の Swap 行が合計サイズです。
/proc/swaps の Size 列は「kB単位」の数値です。2097148 kB ≒ 2GB です。
手順1:スワップを無効化する
リサイズ前にスワップを無効化します。swapoff コマンドを使います。
$ sudo swapon –show
(何も表示されない → スワップ無効化された)
$ free -h
total used free
Mem: 1.9Gi 1.5Gi 200Mi
Swap: 0B 0B 0B
Swap 行がすべて 0B になればスワップは無効化されています。swapoff に数秒かかる場合がありますが、これはスワップに退避していたデータをRAMに戻しているためです。
注意
swapoff を実行した直後にメモリが不足すると、プロセスが強制終了(OOM Killer)される場合があります。free -h で available が 200MB 以上あることを確認してから実行してください。
スワップファイルをリサイズする
手順2:既存ファイルを削除して新サイズで作成する
fallocate を使って新しいサイズのスワップファイルを作成します。fallocate は実際にデータを書かずにファイルサイズを確保するため、dd より圧倒的に高速です。
$ sudo fallocate -l 4G /swapfile
$ sudo chmod 600 /swapfile
$ ls -lh /swapfile
-rw——- 1 root root 4.0G Jun 13 11:45 /swapfile
$ sudo mkswap /swapfile
Setting up swapspace version 1, size = 4 GiB (4294963200 bytes)
no label, UUID=4510cc9d-be43-45ec-891b-006c59983508
chmod 600 は必須です。スワップファイルの権限が root 以外から読めると、セキュリティリスクになります。
mkswap を実行すると UUID が割り当てられます。この UUID は /etc/fstab ではなく /swapfile というパス指定で管理するため特に控える必要はありません。

手順3:スワップを有効化して確認する
$ sudo swapon –show
NAME TYPE SIZE USED PRIO
/swapfile file 4G 0M -2
$ free -h
total used free shared buff/cache available
Mem: 1.9Gi 1.5Gi 200Mi 50Mi 300Mi 300Mi
Swap: 4.0Gi 0B 4.0Gi
Swap 行が 4.0Gi になれば成功です。/etc/fstab に /swapfile none swap sw 0 0 が書かれていれば再起動後も自動で有効になります。
/swapfile none swap sw 0 0
この行があれば再起動後も自動でスワップが有効になります。なければ次のコマンドで追加します。
/swapfile none swap sw 0 0
vm.swappiness でスワップの使われやすさを最適化する
vm.swappiness はカーネルがスワップをどれくらい積極的に使うかを 0〜200 の数値で制御するパラメータです。
Ubuntu 24.04 のデフォルト値は 60 です。これはデスクトップ向けには適切ですが、VPSではスワップへの書き込みが増えるとI/Oが遅くなるため、10 程度に下げる設定が広く使われています。
60
$ sudo sysctl vm.swappiness=10
vm.swappiness = 10
$ cat /proc/sys/vm/swappiness
10
この設定は再起動すると元に戻ります。永続化するには /etc/sysctl.conf に追記します。
vm.swappiness=10
$ sudo sysctl -p
vm.swappiness = 10
sysctl -p で設定ファイルを即座に反映できます。
vm.swappiness の目安
- 0:スワップをほぼ使わない(OOMリスクあり)
- 10:VPS・サーバー向けの推奨値。RAMを優先して使う
- 60:Ubuntu デフォルト。デスクトップ向け
- 100以上:積極的にスワップを使う
fallocate が使えない場合は dd を使う
一部の古いファイルシステム(ext2や特定のNFSマウント)では fallocate がエラーになることがあります。その場合は dd で代替できます。ただし dd は実際にゼロデータを書き込むため時間がかかります。
536870912 bytes (537 MB, 512 MiB) copied, 0.36 s, 1.5 GB/s
4294967296 bytes (4.3 GB, 4.0 GiB) copied, 2.9 s, 1.5 GB/s
4096+0 records in
4096+0 records out

実測では dd(512MBシーケンシャル)で 1.5 GB/s 程度でした。一方 fallocate は 4GB を 0.003秒(3ミリ秒)で作成します。ディスクへの実書き込みが発生しないため速いのは当然ですが、その分「スワップを書き込んだときの速度は未検証」という点は覚えておきましょう。
Ubuntu 22.04 と 24.04 の違い
スワップ関連コマンド自体の使い方は 22.04 でも 24.04 でも変わりません。ツールのバージョンが上がっているだけです。

Ubuntu 22.04 の util-linux は 2.37.2、Ubuntu 24.04 では 2.39.3 です。fallocate も同じく util-linux に含まれています。どちらのバージョンでも本記事の手順はそのまま使えます。
よくあるエラーと解決策
「fallocate failed: Operation not supported」が出る
古いファイルシステム(ext2など)や一部のVPS環境では fallocate が使えない場合があります。
fallocate: fallocate failed: Operation not supported
# → dd で代替する
$ sudo dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=1M count=4096 status=progress
「swapon: /swapfile: insecure permissions 0644」と言われる
スワップファイルの権限が 600 になっていない場合のエラーです。
swapon: /swapfile: insecure permissions 0644, 0600 suggested.
$ sudo chmod 600 /swapfile
$ sudo swapon /swapfile
(エラーなし)
「swapoff: /swapfile: swapoff failed: Cannot allocate memory」が出る
スワップを無効化しようとしたとき、スワップ上のデータをRAMに戻せるほどの空きがない場合に発生します。不要なプロセスを終了してメモリを確保してから再度試してください。
まとめ
Ubuntuのスワップファイルのリサイズ手順をまとめます。
- 現状確認:
swapon --show/free -h - スワップ無効化:
sudo swapoff /swapfile - 削除→新規作成:
sudo rm /swapfile && sudo fallocate -l 4G /swapfile - 権限設定:
sudo chmod 600 /swapfile - 初期化:
sudo mkswap /swapfile - 有効化:
sudo swapon /swapfile - 最適化:
vm.swappiness=10を/etc/sysctl.confに追記
VPSを使っているなら、スワップを増やしても根本的なメモリ不足は解決しません。スワップはあくまで「緊急用のバッファ」として捉え、プランアップグレードや不要サービスの整理も検討してみてください。
VPSで本格的にサーバーを運用したい方は、メモリとストレージのコスパを各社で比較してみてください。
VPS各社の詳細な性能比較はVPS比較・速度ベンチマークの記事もあわせてご覧ください。



コメント