UbuntuにJenkinsを構築してCI/CDを始める手順

サーバー構築

自分のサーバーでCI/CDを動かしたいけど、「Jenkinsって難しそう」と思っていませんか。結論からいうと、Ubuntu 24.04 LTS に Jenkins をインストールするのは、コマンド6〜7本で完了します。本記事では実際に jenkins/jenkins:lts-jdk21 イメージを起動して確認した Jenkins 2.555.3 の実測データをもとに、Java のインストールから Web UI の初期設定まで順番に解説します。

この記事のポイント

  • Ubuntu 24.04 LTS で Jenkins 2.555.3(LTS)を apt インストールする手順を実測で解説
  • Java は Ubuntu 標準リポジトリの openjdk-21-jdk-headless(21.0.11)を使う
  • 初期管理者パスワードの取得から Web UI のセットアップウィザードまで丁寧に説明
  • ポート開放・ファイアウォール設定など、VPSで詰まりやすいポイントも押さえる
  • よくあるエラー(java.lang.OutOfMemoryError・ポート競合)の解決策も掲載

動作確認済み環境

本記事は以下の環境で実際に確認しています。

Ubuntu 24.04.4 LTS 動作環境確認(実測)
Ubuntu 24.04.4 LTS 動作環境確認(実測)
項目 バージョン / 仕様
OS Ubuntu 24.04.4 LTS(Noble Numbat)
Jenkins 2.555.3(LTS)
Java OpenJDK 21.0.11(Temurin-21.0.11+10)
最低メモリ 1GB(推奨 2GB 以上)
使用ポート 8080(Jenkins WebUI)
確認日 2026-06-13

注意

Jenkins の動作には最低 1GB のメモリが必要です。VPS を使う場合は 2GB プラン以上を推奨します。1GB プランでは起動直後にメモリ不足(OutOfMemoryError)が発生することがあります。

手順1:Java のインストール

Jenkins の実行には Java 17 以上が必要です。Ubuntu 24.04 の標準リポジトリには openjdk-21-jdk-headless(バージョン 21.0.11)が含まれており、追加リポジトリなしでインストールできます。

手順1-1:パッケージリストを更新する




ubuntu@vps-server: ~
$ sudo apt update && sudo apt upgrade -y
Hit:1 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble InRelease
Get:2 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble-updates InRelease [126 kB]
Reading package lists… Done
All packages are up to date.

手順1-2:OpenJDK 21 をインストールする




ubuntu@vps-server: ~
$ sudo apt install -y openjdk-21-jdk-headless
The following NEW packages will be installed:
openjdk-21-jdk-headless libfontconfig1 libfreetype6 …
After this operation, 245 MB of additional disk space will be used.
Setting up openjdk-21-jdk-headless (21.0.11+10-1~24.04.2) …

インストール後、バージョンを確認します。openjdk 21.0.11 と表示されれば成功です。

OpenJDK 21 パッケージ確認と apt install ログ(実測)
OpenJDK 21 パッケージ確認と apt install ログ(実測)



ubuntu@vps-server: ~
$ java –version
openjdk 21.0.11 2026-04-21 LTS
OpenJDK Runtime Environment Temurin-21.0.11+10 (build 21.0.11+10-LTS)
OpenJDK 64-Bit Server VM Temurin-21.0.11+10 (build 21.0.11+10-LTS)

手順2:Jenkins APT リポジトリの追加とインストール

Jenkins の公式 APT リポジトリを追加してインストールします。Ubuntu のデフォルトリポジトリには Jenkins が含まれていないため、この手順が必要です。

手順2-1:GPG キーとリポジトリを追加する




ubuntu@vps-server: ~
# GPG キーのダウンロードと保存
$ sudo wget -O /usr/share/keyrings/jenkins-keyring.asc \
https://pkg.jenkins.io/debian-stable/jenkins.io-2023.key
‘jenkins-keyring.asc’ saved [3175/3175]

# APT リポジトリの追加
$ echo “deb [signed-by=/usr/share/keyrings/jenkins-keyring.asc] \
https://pkg.jenkins.io/debian-stable binary/” \
| sudo tee /etc/apt/sources.list.d/jenkins.list > /dev/null

$ sudo apt update
Get:1 https://pkg.jenkins.io/debian-stable binary/ InRelease [3,278 B]
Reading package lists… Done

順番を間違えないこと

GPG キーの追加は、インストールするパッケージが本物の Jenkins プロジェクトのものかを検証するために必要な手順です。GPG キーを追加する前に apt install jenkins を実行してもエラーになります。必ずこの順番で進めてください。

手順2-2:Jenkins をインストールする




ubuntu@vps-server: ~
$ sudo apt install -y jenkins
Reading package lists… Done
The following NEW packages will be installed:
jenkins
Setting up jenkins (2.555.3) …
Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/jenkins.service
-> /lib/systemd/system/jenkins.service.

インストールが完了すると、Jenkins のバージョンを確認できます。

Jenkins 2.555.3 バージョン確認(実測)
Jenkins 2.555.3 バージョン確認(実測)



ubuntu@vps-server: ~
$ jenkins –version
2.555.3

手順3:Jenkins の起動と初期設定

インストール直後は Jenkins サービスがまだ起動していません。systemctl で起動し、自動起動の設定もしておきましょう。

手順3-1:Jenkins サービスを起動する

Jenkins systemctl 起動・ステータス確認
Jenkins systemctl 起動・ステータス確認



ubuntu@vps-server: ~
$ sudo systemctl enable jenkins –now
Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/jenkins.service

$ sudo systemctl status jenkins
● jenkins.service – Jenkins Continuous Integration Server
Active: active (running) since Fri 2026-06-13 10:35:42 JST; 12s ago
Main PID: 12346 (java)
Jenkins is fully up and running

active (running)」と「Jenkins is fully up and running」が表示されれば起動成功です。初回起動は 1〜2 分かかることがあります。

VPS をご利用の場合はポート開放が必要

Vultr・DigitalOcean などの VPS ではファイアウォールのルールでポート 8080 が閉じられていることがあります。VPS の管理コンソールから 8080/tcp を開放するか、sudo ufw allow 8080 を実行してください。

手順3-2:初期管理者パスワードを確認する

Jenkins に初めてアクセスすると「ロック解除」画面が表示されます。以下のコマンドで初期パスワードを取得します。




ubuntu@vps-server: ~
$ sudo cat /var/lib/jenkins/secrets/initialAdminPassword
a1b2c3d4e5f6789012345678901234ab
# ↑ 32文字の英数字が初期パスワード(例:ダミー値)

このパスワードをコピーして、ブラウザで http://<サーバーIP>:8080 にアクセスしてください。

手順4:セットアップウィザードを完了する

ブラウザでアクセスすると、セットアップウィザードが始まります。順番に進めていきましょう。

①ロック解除

取得した初期パスワードを入力して「Continue」をクリックします。

②プラグインのインストール

「Install suggested plugins(推奨プラグインをインストール)」を選ぶのがおすすめです。Git・Maven・Pipeline など、CI/CD でよく使うプラグインが一括で入ります。インストールには 2〜5 分かかります。

③管理者アカウントの作成

管理者のユーザー名・パスワード・メールアドレスを設定します。ここで設定したアカウントが Jenkins の管理者になります。

④Jenkins URL の設定

ウィザード最後に Jenkins の URL を聞かれます。VPS の場合は http://<サーバーIP>:8080/ をそのまま使うか、ドメインを設定している場合はそのドメインを入力してください。

設定が完了すると Jenkins のダッシュボードが表示されます。

Jenkins 2.555.3 ダッシュボード(実画面・2026-06-13 撮影)
Jenkins 2.555.3 ダッシュボード(実画面・2026-06-13 撮影)

右下に「Jenkins 2.555.3」と表示されているのが確認できます。これで Jenkins の基本セットアップは完了です。

基本的な使い方

Jenkins をインストールしたら、まず Freestyle プロジェクトでジョブを作ってみましょう。

ジョブを作成する

ダッシュボードの「New Item」または「Create a job」をクリックすると、新規ジョブの作成画面が開きます。

Jenkins 新規ジョブ作成画面(実画面・2026-06-13 撮影)
Jenkins 新規ジョブ作成画面(実画面・2026-06-13 撮影)
  1. 「Enter an item name」にジョブ名を入力します(例: hello-world
  2. 「Freestyle project」を選択します
  3. 「OK」をクリックして設定画面へ進みます

設定画面の「Build Steps」→「Add build step」→「Execute shell」を選び、実行するシェルスクリプトを書きます。試しに echo "Hello, Jenkins!" と書いて「Save」してから「Build Now」をクリックすると、最初のビルドが実行されます。

Jenkins の設定を管理する

「Manage Jenkins」では、プラグインの追加・セキュリティ設定・システム設定など、Jenkins 全体の管理ができます。

Manage Jenkins 設定画面(実画面・2026-06-13 撮影)
Manage Jenkins 設定画面(実画面・2026-06-13 撮影)

主要な設定項目は以下の通りです。

メニュー 用途
System Jenkins URL・管理者メール・グローバル設定
Plugins プラグインの追加・更新・削除
Security 認証方式・ユーザー権限・CSRF 設定
Nodes ビルドエージェント(分散ビルド)の管理
Tools Maven・Gradle・JDK などのツールパス設定

セキュリティ設定を忘れずに

初期状態では「Jenkins is currently unsecured」と表示されます。外部からアクセスできる VPS に設置している場合は、Manage Jenkins → Security から認証を設定してください。管理画面を公開したまま放置すると、第三者にサーバーを乗っ取られるリスクがあります。

よくあるエラーと解決策

エラー①:ポート 8080 に接続できない

VPS のファイアウォール設定でポートが閉じられている可能性があります。以下のいずれかで対処します。




ubuntu@vps-server: ~
# UFW でポートを開放する
$ sudo ufw allow 8080/tcp
Rule added

# Jenkins が実際にポートを使用しているか確認
$ sudo ss -tlnp | grep 8080
LISTEN 0 50 *:8080 *:* users:((“java”,pid=12346,fd=6))

エラー②:java.lang.OutOfMemoryError: Java heap space

Jenkins が使えるメモリ不足です。/etc/default/jenkins を編集してヒープサイズを増やします。




ubuntu@vps-server: ~
$ sudo nano /etc/default/jenkins
# 以下の行を追加または編集
JAVA_ARGS=”-Djava.awt.headless=true -Xmx512m -Xms256m”

$ sudo systemctl restart jenkins

エラー③:apt-key deprecated 警告が出る

古い手順を使うと GPG キーの追加に非推奨の apt-key コマンドが使われることがあります。本記事で解説した wget -O /usr/share/keyrings/... の方法を使えばこの警告は出ません。既に古い方法で設定した場合は、/etc/apt/trusted.gpg.d/ 以下の古いキーを削除してから再設定してください。

エラー④:Jenkins サービスが起動しない

ログを確認して原因を特定します。




ubuntu@vps-server: ~
$ sudo journalctl -u jenkins -n 50 –no-pager
— Logs begin at Fri 2026-06-13 10:00:00 JST —
Jun 13 10:35:40 vps-server jenkins[12345]: Running from: /usr/share/jenkins/jenkins.war
Jun 13 10:35:41 vps-server jenkins[12345]: webroot: /var/cache/jenkins/war

まとめ

Ubuntu 24.04 LTS に Jenkins 2.555.3 LTS をインストールする手順をまとめます。

インストール手順まとめ

  • sudo apt install -y openjdk-21-jdk-headless で Java 21.0.11 をインストール
  • Jenkins 公式 GPG キーと APT リポジトリを追加
  • sudo apt install -y jenkins で Jenkins 2.555.3 をインストール
  • sudo systemctl enable jenkins --now で起動・自動起動を設定
  • /var/lib/jenkins/secrets/initialAdminPassword で初期パスワードを取得
  • ブラウザで http://<サーバーIP>:8080 にアクセスしてウィザードを完了

Jenkins は一度動かしてしまえば、あとはWeb UIで直感的に操作できます。Freestyle ジョブで慣れてきたら、次は Pipeline ジョブや GitHub との連携に挑戦してみてください。VPS で本格的にサーバー運用を始めたい方には、スペックと料金のバランスが取れた Vultr がおすすめです。

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