Groq API は「世界最速級の LLM 推論」を掲げるクラウド API です。ローカルで LLM を動かすと CPU では数トークン/秒が限界ですが、Groq の LPU(Language Processing Unit)という専用チップは桁違いの速度で応答を返します。本記事では Ubuntu 24.04 で Groq API をゼロから接続し、実際に SDK を動かすまでの手順を、Docker で取得した実測データとともに解説します。
うれしいことに、必要なものは Python と pip install groq の1コマンドだけです。実際に Ubuntu 24.04 / 22.04 の公式 Docker イメージで検証したところ、SDK のインストールは 3回平均でわずか2.84秒で完了しました。VPS を持っていない方も、手元の Ubuntu や WSL2 でそのまま試せます。
この記事のポイント
- Ubuntu 24.04 では apt で Python 3.12.3 / pip 24.0 が入る(Docker実測確認済み)
pip install groqは groq SDK 1.4.0 を含む14パッケージを約2.84秒で導入(3回実測)- API キーは
console.groq.comで無料取得できる(Google / GitHub / メールで登録、クレカ不要) - SDK は OpenAI 互換。
client.chat.completions.create()の呼び出しパスを実確認済み - 無効キーで叩くと
401 invalid_api_keyが返る挙動まで実測で確認
目次
- 動作確認済み環境
- Groq API とは?
- API キーの取得(console.groq.com)
- Ubuntu の Python 環境を確認する
- groq SDK のインストール
- はじめての API 呼び出し
- 利用できるモデル
- API キーを環境変数で管理する
- ストリーミング応答
- よくあるエラーと解決策
- まとめ
動作確認済み環境
本記事のコマンドとバージョンは、すべて Ubuntu 公式 Docker イメージ(ubuntu:24.04 / ubuntu:22.04)の中で実際に実行して取得したものです。まずは検証した環境と、SDK の依存バージョンをまとめます。

| 項目 | バージョン / 内容 |
|---|---|
| OS | Ubuntu 24.04.4 LTS(Noble Numbat) |
| Python | 3.12.3(apt install python3) |
| pip | 24.0 |
| groq SDK | 1.4.0(依存: httpx 0.28.1 / pydantic 2.13.4 / anyio 4.13.0) |
| 検証日 | 2026-06-14 |
注意
本記事のコマンドは Ubuntu 24.04 LTS で検証しています。Ubuntu 22.04 でも同じ手順で動きますが、Python が 3.10.12・pip が 22.0.2 になります(後述の実測比較を参照)。どちらでも groq SDK は問題なく動作します。
Groq API とは?
Groq(グロック)は、独自設計の LPU(Language Processing Unit)という専用チップで LLM を動かすクラウドサービスです。GPU 上で動く一般的な推論サービスと比べて、推論速度が非常に速いのが最大の特徴です。公式サイトでも「fast, low cost inference(速くて低コストな推論)」を前面に打ち出しています。

Groq の特徴をまとめると次のとおりです。
- LPU による高速推論:公式モデル一覧ページでは、注目モデルに ~450〜500 トークン/秒(tps)の表示が確認できます
- OpenAI 互換 API:
client.chat.completions.create()という同じインターフェースで呼び出せます(本記事で実確認済み) - 無料プランあり:1分あたりのレート制限はありますが、個人利用・学習には十分です
- 多様なモデル対応:テキスト生成のほか、Whisper による音声認識(Speech to Text)にも対応します
API キーの取得(console.groq.com)
Groq API を使うには、まず API キーを取得します。無料でアカウントを作成でき、クレジットカードは不要です。
手順1:アカウントを作成する
console.groq.com にアクセスすると、次のようなログイン画面が表示されます。Google・GitHub・SSO・メールアドレスのいずれかでアカウントを作成できます。

手順2:API Keys ページでキーを生成する
ログイン後、上部メニューまたは左サイドバーの API Keys を開き、「Create API Key」でキーを生成します。生成されたキーは gsk_ から始まる文字列です。このキーは生成時に一度しか表示されないので、必ずコピーして安全な場所に保存してください。
注意:API キーを公開しない
API キーは GitHub などの公開リポジトリにコミットしないでください。流出するとレート上限まで第三者に使われる恐れがあります。.env ファイルや環境変数で管理するのが基本です(後述)。
Ubuntu の Python 環境を確認する
groq SDK は Python 3.8 以上が必要です。Ubuntu 24.04 では apt で Python 3.12.3 が入ります。ubuntu:24.04 の公式 Docker イメージで実際にインストールして確認した出力が次のとおりです。
Python 3.12.3
$ pip3 –version
pip 24.0 from /usr/lib/python3/dist-packages/pip (python 3.12)
まだ入っていない場合(最小構成の Docker イメージなどでは Python が同梱されていません)は、次のコマンドでまとめて導入します。python3-venv も一緒に入れておくのがおすすめです。
$ sudo apt install -y python3 python3-pip python3-venv
Ubuntu 22.04 と 24.04 で apt が入れる Python / pip のバージョンを、両方の公式イメージで実測して比較しました。groq SDK は Python 3.8 以上なので、どちらのバージョンでも問題なく動作します。

groq SDK のインストール
手順1:仮想環境を作成する
システムの Python 環境を汚さないよう、仮想環境(venv)を作ってからインストールします。Ubuntu 24.04 は外部パッケージのシステム全体への pip インストールを制限しているため、venv を使うのが事実上の必須手順です。
$ source ~/groq-env/bin/activate
(groq-env) $
手順2:groq SDK をインストールする
Downloading groq-1.4.0-py3-none-any.whl (143 kB)
Downloading pydantic-2.13.4-py3-none-any.whl (472 kB)
Downloading httpx-0.28.1-py3-none-any.whl (73 kB)
Downloading anyio-4.13.0-py3-none-any.whl (114 kB)
Successfully installed groq-1.4.0 httpx-0.28.1 pydantic-2.13.4 anyio-4.13.0 …
ubuntu:24.04 コンテナで venv を毎回作り直し、pip install --no-cache-dir groq を3回計測したところ、平均2.84秒(最小2.61秒〜最大3.11秒)で完了しました。SDK 本体の wheel は143 kB と小さく、依存も軽量です。groq とその依存を合わせて14パッケージが一度に入ります。

インストールを確認する
Name: groq
Version: 1.4.0
Summary: The official Python library for the groq API
License: Apache-2.0
Requires: anyio, distro, httpx, pydantic, sniffio, typing-extensions
(groq-env) $ python -c “import groq; print(groq.__version__)”
1.4.0
これらの出力はすべて実コンテナで取得したものです。pip show の Requires 行が示すとおり、groq 1.4.0 は anyio / distro / httpx / pydantic / sniffio / typing-extensions の6パッケージに依存しています。
はじめての API 呼び出し
API キーが手元にある状態で、最初のスクリプトを書いてみましょう。SDK のクライアント構造が本当に OpenAI 互換になっているかを実際に確認したのが次の図です。client.chat.completions.create() という呼び出しパスが存在することを hasattr で確認しています。

手順1:スクリプトを作成する
from groq import Groq
import os
client = Groq(api_key=os.environ.get(“GROQ_API_KEY”))
completion = client.chat.completions.create(
model=”llama-3.3-70b-versatile”,
messages=[{
“role”: “user”,
“content”: “Linuxとは何か、一言で説明してください”
}]
)
print(completion.choices[0].message.content)
EOF
手順2:API キーをセットして実行する
(groq-env) $ python groq_hello.py
from groq import Groq でクライアントを生成し、client.chat.completions.create() で API を呼び出します。戻り値の completion.choices[0].message.content に応答テキストが入ります。OpenAI SDK を触ったことがある方には、まったく同じ構造に見えるはずです。実際の応答文はモデルや実行ごとに変わるため、出力内容はお手元のキーで確かめてみてください。
キーが正しくないと?
無効なキーのまま実行すると、その場で AuthenticationError(HTTP 401)が返ります。本記事でも検証用の無効キーで挙動を確認しました。詳しくは後述の「よくあるエラーと解決策」を参照してください。
利用できるモデル
利用できるモデルは console.groq.com/docs/models の公式一覧で確認できます。実際にこのページを開いて撮影したのが次のスクリーンショットです。撮影時点では、注目モデルとして 「Groq Compound」(~450 tps)と「OpenAI GPT-OSS 120B」(~500 tps)が表示されていました。サイドバーには Text Generation・Speech to Text・Reasoning などのカテゴリが並びます。

モデルの系統を整理すると次のようになります。具体的なモデル ID やコンテキスト長・提供状況は更新が速いので、最新は必ず上記の公式ページで確認してください。

| モデル系統 | 種別 | 用途の目安 |
|---|---|---|
Llama 系(例: llama-3.3-70b-versatile) |
テキスト生成 | 汎用チャット・最初のおすすめ |
Llama 軽量系(例: llama-3.1-8b-instant) |
テキスト生成 | 低レイテンシ・リアルタイム応用 |
| GPT-OSS 系(OpenAI オープンウェイト) | テキスト生成 | 高品質な推論タスク |
Whisper 系(whisper-large-v3) |
音声認識(STT) | 文字起こし。audio.transcriptions で利用 |
まずは llama-3.3-70b-versatile が品質と速度のバランスがよくおすすめです。応答の速さを最優先したい場合は llama-3.1-8b-instant のような軽量モデルを選ぶとよいでしょう。
API キーを環境変数で管理する
毎回 export GROQ_API_KEY=... と打つのは面倒なので、~/.bashrc に書いておくのが手軽です。
$ source ~/.bashrc
$ echo $GROQ_API_KEY
gsk_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
本番環境での注意
~/.bashrc に書く方法は個人の開発用途向けです。本番サーバーやチームでの利用には、.env ファイルと python-dotenv、または AWS Secrets Manager・HashiCorp Vault などのシークレット管理ツールの使用を推奨します。
.env ファイルを使う方法
(groq-env) $ echo ‘GROQ_API_KEY=gsk_your_key_here’ > .env
(groq-env) $ echo ‘.env’ >> .gitignore # Git に含めない!
スクリプト側では次のように読み込みます。
load_dotenv() # .env を読み込む
from groq import Groq
import os
client = Groq(api_key=os.environ.get(“GROQ_API_KEY”))
ストリーミング応答
Groq の速さを体感できる機能のひとつがストリーミングです。stream=True を指定すると、回答が生成されるそばからリアルタイムで届きます。
import os
client = Groq(api_key=os.environ.get(“GROQ_API_KEY”))
stream = client.chat.completions.create(
model=”llama-3.3-70b-versatile”,
messages=[{“role”: “user”,
“content”: “Ubuntuのパッケージ管理を100文字で説明して”}],
stream=True, # ← ストリーミングを有効化
)
for chunk in stream:
delta = chunk.choices[0].delta.content
if delta:
print(delta, end=””, flush=True)
print() # 最後に改行
よくあるエラーと解決策
①AuthenticationError: 401 Invalid API Key
もっとも多いのがこれです。検証として、わざと無効なキーを使って chat.completions.create() を呼び出したところ、api.groq.com から実際に次の 401 が返ってきました。

原因と対処:キーが間違っているか、環境変数が読み込まれていません。echo $GROQ_API_KEY で値を確認し、gsk_ から始まっているかをチェックしてください。コピー時に末尾が欠けるミスも多いです。
②RateLimitError: 429 Too Many Requests
原因と対処:無料プランの1分あたりリクエスト数またはトークン数の上限に達しています。数秒待ってから再実行するか、より軽量なモデル(llama-3.1-8b-instant など)に切り替えてください。
③ModuleNotFoundError: No module named ‘groq’
原因と対処:venv を作ったものの、アクティベートせずに python を実行しています。source ~/groq-env/bin/activate を先に実行してから動かしてください。プロンプトの先頭が (groq-env) になっているかを確認するのがコツです。
まとめ
Groq API を Ubuntu 24.04 でセットアップする手順を、Docker 実測データとともにまとめました。
- Ubuntu 24.04 は apt で Python 3.12.3 / pip 24.0 が入る(22.04 は 3.10.12 / 22.0.2)
pip install groqで groq SDK 1.4.0 を含む14パッケージが約2.84秒で入る(3回実測)- API キーは
console.groq.comから無料取得できる(クレカ不要) - SDK は OpenAI 互換で、
client.chat.completions.create()をそのまま使える - API キーは環境変数か
.envファイルで管理し、Git に含めない - 無効キーでは
401 invalid_api_keyが返るので、まずecho $GROQ_API_KEYで確認する
Groq は「API を叩く→すぐ返ってくる」という体験が新鮮で、AI アプリのプロトタイピングに特に向いています。まずは無料プランで試してみてください。
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