UbuntuにAWS CLIをインストールして設定する手順

開発環境

UbuntuにAWS CLIをインストールするとき、apt install awscliを試したら動かなかった、あるいは古いバージョンが入ってしまった、という経験はないでしょうか。

Ubuntu 24.04 LTS では apt から awscli パッケージが廃止されており、公式インストーラを使う必要があります。本記事では Docker コンテナで実際に手順を実行し、AWS CLI v2.35.4 のインストールと設定方法を確認しました。

AWSのサービス(S3・EC2・Lambda など)をコマンドラインから操作するために必要な AWS CLI を、Ubuntu 24.04 LTS に正しくセットアップする手順を順番に解説します。

この記事のポイント

  • Ubuntu 24.04 LTS では apt install awscli が使えないので公式インストーラが必要
  • Ubuntu 22.04 の apt 版は v1.22.34(旧世代)で、最新の v2 系と互換性が異なる
  • AWS CLI v2 は Python が同梱されており、システムの Python に依存しない
  • aws configure で認証情報とデフォルトリージョンを設定する
  • 本記事は ubuntu:24.04 Docker 公式イメージで実際に実行した結果を載せています

AWS CLIとは

AWS CLI(Amazon Web Services Command Line Interface)は、Amazon Web Services のサービスをターミナルから操作するためのツールです。ブラウザの AWS マネジメントコンソールで行うのと同じ操作を、コマンド一行で実行できます。

たとえば S3 バケットのファイル一覧表示は aws s3 ls、EC2 インスタンスの起動状態確認は aws ec2 describe-instances のように使います。シェルスクリプトに組み込めるので、定期的なバックアップや CI/CD パイプラインでも活躍します。

前提環境

本記事は以下の環境で検証しています。

項目 内容
OS Ubuntu 24.04.4 LTS (Noble Numbat)
実行環境 Docker 公式イメージ ubuntu:24.04
AWS CLI バージョン v2.35.4(2026年6月時点の最新)
検証日 2026-06-13

注意

Ubuntu 22.04 をお使いの方も同じ手順で v2 をインストールできます。ただし apt install awscli をすると古い v1 が入ってしまうので、後述の公式インストーラ手順を使ってください。

Ubuntu 22.04 と 24.04 の違い(重要)

まず、Ubuntu のバージョンによって状況が違う点を確認しましょう。実際に apt-cache policy awscli を実行した結果を比較した図がこちらです。

Ubuntu 22.04 vs 24.04 AWS CLI インストール方法比較(実測)
Ubuntu 22.04 vs 24.04 AWS CLI インストール方法比較(実測)

Ubuntu 22.04 LTS には awscli 1.22.34-1(AWS CLI v1)が apt から提供されていましたが、Ubuntu 24.04 LTS では apt パッケージが存在しません

apt で v1 をインストールしても、2025年7月に AWS が v1 の保守を終了しており、v2 の一部機能と互換性がありません。Ubuntu 24.04 を使っているなら、最初から公式インストーラで v2 を入れるのが正解です。

Ubuntu 24.04 で apt install awscli を試みた結果(再現UI)
Ubuntu 24.04 で apt install awscli を試みた結果(再現UI)

AWS CLI v2 のインストール手順

AWS CLI v2 は公式インストーラ(zip ファイル)で提供されています。インストールは4ステップで完了します。

AWS CLI v2 インストールフロー(概念図)
AWS CLI v2 インストールフロー(概念図)

手順1:curl と unzip をインストールする

AWS CLI インストーラのダウンロードに curl、展開に unzip が必要です。まだ入っていない場合はインストールしておきます。




ubuntu@server: ~
$ sudo apt-get update
Hit:1 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble InRelease

Reading package lists… Done
$ sudo apt-get install -y curl unzip
Reading package lists… Done
Building dependency tree… Done
The following NEW packages will be installed:
curl unzip
done.

手順2:公式インストーラをダウンロードして展開する

AWS 公式サイト(awscli.amazonaws.com)から最新インストーラをダウンロードします。




ubuntu@server: ~
$ curl “https://awscli.amazonaws.com/awscli-exe-linux-x86_64.zip” -o “/tmp/awscliv2.zip”
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current
Dload Upload Total Spent Left Speed
100 63.2M 100 63.2M 0 0 21.4M 0 0:00:02 0:00:02 –:–:– 21.4M
$ unzip -q /tmp/awscliv2.zip -d /tmp/

ARM サーバー(Graviton など)の場合

AWS EC2 の Graviton インスタンスなど aarch64/arm64 環境では awscli-exe-linux-x86_64.zip の代わりに awscli-exe-linux-aarch64.zip を使ってください。

手順3:インストールスクリプトを実行する




ubuntu@server: ~
$ sudo /tmp/aws/install
You can now run: /usr/local/bin/aws –version

正常にインストールされると You can now run: /usr/local/bin/aws --version と表示されます。インストール先は /usr/local/bin/aws で、これは標準の PATH に含まれているためそのままコマンドが使えます。

手順4:バージョンを確認する

実際に Docker コンテナで実行した結果です。

AWS CLI v2 公式インストーラ実行ログ(実測)
AWS CLI v2 公式インストーラ実行ログ(実測)

Ubuntu 24.04 のコンテナで実際にインストールしたところ、aws-cli/2.35.4 Python/3.14.5 Linux/6.8.0-51-generic exe/x86_64.ubuntu.24 と表示されました。Python 3.14.5 が自己完結型で同梱されているため、Ubuntu 側の Python バージョンに影響されません。

AWS CLI の初期設定(aws configure)

インストールが完了したら、AWS アカウントへの接続情報を設定します。必要な情報は2つです。

  • IAM アクセスキー ID(AKIA... から始まる文字列)
  • IAM シークレットアクセスキー(40文字のランダム文字列)

IAM キーがまだない場合

AWS マネジメントコンソールにログイン → 右上のアカウント名 → 「セキュリティ認証情報」→「アクセスキー」→「アクセスキーを作成」で発行できます。シークレットキーは作成時しか表示されないのでコピーしておいてください。

手順5:aws configure を実行する




ubuntu@server: ~
$ aws configure
AWS Access Key ID [None]: AKIA***************
AWS Secret Access Key [None]: ****************************
Default region name [None]: ap-northeast-1
Default output format [None]: json

各項目の説明です。

項目 入力内容
AWS Access Key ID IAM アクセスキー ID AKIAIOSFODNN7EXAMPLE
AWS Secret Access Key IAM シークレットキー wJalrXUtnFEMI/K7MDENG/...
Default region name デフォルトリージョン ap-northeast-1(東京)
Default output format 出力形式 json(または text/table

日本のリージョンを使う場合は ap-northeast-1(東京)を指定します。Enterキーを押すとデフォルト(None のまま)になるので、必ず入力しましょう。

手順6:設定を確認する

aws configure list で現在の設定状態を確認できます。実際に Ubuntu 24.04 コンテナで確認した結果です。

aws configure list の出力確認(実測)
aws configure list の出力確認(実測)

TYPE 列が shared-credentials-file となっていれば、認証情報が ~/.aws/credentials ファイルに正しく保存されています。設定後に <not set> が残っている項目は再度 aws configure で入力してください。

設定ファイルは ~/.aws/ ディレクトリに保存されています。




ubuntu@server: ~
$ ls ~/.aws/
config credentials
$ cat ~/.aws/credentials
[default]
aws_access_key_id = AKIA***************
aws_secret_access_key = ****************************
$ cat ~/.aws/config
[default]
region = ap-northeast-1
output = json

動作確認

設定が正しく行われたかを確認する一番簡単な方法は aws sts get-caller-identity コマンドです。




ubuntu@server: ~
$ aws sts get-caller-identity
{
“UserId”: “AIDAIOSFODNN7EXAMPLE”,
“Account”: “123456789012”,
“Arn”: “arn:aws:iam::123456789012:user/your-user”
}

このように JSON でアカウント情報が返ってきたら成功です。Account に AWS アカウント番号、Arn に IAM ユーザー情報が表示されます。

よくあるエラーと解決策

① E: Package ‘awscli’ has no installation candidate




ubuntu@server: ~
$ sudo apt install awscli
E: Package ‘awscli’ has no installation candidate

Ubuntu 24.04 では apt に awscli パッケージがありません。本記事の手順で公式インストーラを使ってください。

② aws: command not found

インストール後にこのエラーが出る場合は、シェルに PATH が反映されていない可能性があります。新しいターミナルを開くか、以下を実行してください。




ubuntu@server: ~
$ source ~/.bashrc
$ which aws
/usr/local/bin/aws

③ Unable to locate credentials




ubuntu@server: ~
Unable to locate credentials. You can configure credentials by running “aws configure”.

aws configure をまだ実行していないか、入力した認証情報が間違っています。aws configure list で TYPE が None になっていないか確認してください。

④ AWS CLI v2 を更新したい場合

既存の v2 をアップデートするときは --update フラグを付けて再実行します。




ubuntu@server: ~
$ curl “https://awscli.amazonaws.com/awscli-exe-linux-x86_64.zip” -o “/tmp/awscliv2.zip”
$ unzip -q /tmp/awscliv2.zip -d /tmp/
$ sudo /tmp/aws/install –update
You can now run: /usr/local/bin/aws –version

まとめ

Ubuntu 24.04 LTS に AWS CLI をインストールする手順を実際のコンテナで確認しました。

  • Ubuntu 24.04 では apt install awscli は使えない(パッケージが廃止)
  • 公式インストーラ(zip)をダウンロード・展開・実行するだけで AWS CLI v2 が入る
  • インストール後は aws configure でアクセスキーとリージョンを設定する
  • aws configure listaws sts get-caller-identity で設定確認ができる
  • 2026年6月時点の最新版は v2.35.4(Python 3.14.5 同梱)

AWS CLI が使えるようになると、S3 へのファイル転送やサーバーの自動バックアップなど、VPS と AWS サービスを組み合わせた運用が格段にやりやすくなります。VPS の選び方については以下の記事も参考にしてください。

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