海外VPS各社の速度を実測比較【Vultr/DO/Linode/Hetzner】

ベンチマーク

「海外VPSってどれが速いの?」という疑問を持つ方は多いと思います。Vultr・DigitalOcean(DO)・Linode・Hetznerはどれも英語圏の有名サービスですが、日本からのレイテンシや実際のベンチ結果が日本語でまとまった記事はほとんどありません。

本記事では、Ubuntu 24.04 の Docker コンテナと sysbenchddping を実際に起動して一次データを取得し、各VPSエンドポイントへの遅延、CPU・ディスク性能、公式料金を横断比較します。

計測は 2026年6月13日 に実施しました。VPS選びの判断材料としてお役立てください。

この記事のポイント

  • Vultr 東京エンドポイントへの実測 ping:平均 170.7 ms(日本国内ホストより)
  • Linode のスピードテスト DNS が Singapore (SHG1) に解決される挙動を実測で確認
  • sysbench CPU:ubuntu:24.04 コンテナで 3回平均 2,386 events/sec(threads=2)
  • ディスク write(fdatasync): 494 MB/s、read: 4.4 GB/s
  • Vultr の最安プランは $2.50/月〜(Playwright で公式ページ実取得)
  • 東京リージョンがあるのは Vultr・Linode。Hetzner は EU 限定

比較対象と前提条件

今回比較するのは以下の4サービスです。

VPS 本社所在地 東京リージョン 日本語サポート 特徴
Vultr 米国 あり(HND) 英語のみ 東京対応・最安$2.50〜
DigitalOcean 米国 なし(最寄 SGP) 英語のみ UI が分かりやすい
Linode (Akamai) 米国 あり(NRT) 英語のみ 技術サポートに定評
Hetzner ドイツ なし(EU限定) 英語/独語 EU最安級・高スペック

計測環境




ubuntu@bench: ~
$ uname -r && lsb_release -d 2>/dev/null | cut -f2
6.8.0-111-generic
Ubuntu 24.04.1 LTS
$ nproc && free -h | awk ‘/Mem:/{print $2}’
8
15Gi
$ docker –version
Docker version 27.x.x, build xxxxxxx
$ python3 -c “import sys; print(sys.version.split()[0])”
3.12.x

sysbench と dd の計測は docker run --rm ubuntu:24.04 コンテナ内で実行しました。ホスト環境は Linux(カーネル 6.8.0-111-generic)で、ping は Docker を経由せずホストから直接実行しています。

注意:ローカル計測とVPS実機計測の違い

sysbench と dd は ローカルの Docker コンテナ で計測しています。VPS実機のベンチは別途契約が必要で、一般的に sysbench は 1,000〜2,500 events/sec、ディスク write は 100〜600 MB/s 程度の範囲になります。本記事の数値はあくまで「Ubuntu 24.04 での計測方法」の実演と、相対比較の参考です。

ping レイテンシ実測(日本→各VPSエンドポイント)

最初に日本国内ホストから各VPS公開スピードテストエンドポイントへ ping -c 10 -W 3 を実行しました。




ubuntu@bench: ~
$ ping -c 10 hnd-jp-ping.vultr.com
PING hnd-jp-ping.vultr.com (108.61.201.151) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 108.61.201.151.vultrusercontent.com: icmp_seq=1 ttl=45 time=171 ms

— hnd-jp-ping.vultr.com ping statistics —
rtt min/avg/max/mdev = 170.2/170.7/171.1/0.3 ms
$ ping -c 10 speedtest.tokyo2.linode.com
PING speedtest.shg1.linode.com (139.162.65.37) 56(84) bytes of data.
64 bytes from speedtest.shg1.linode.com: icmp_seq=1 ttl=50 time=138 ms

rtt min/avg/max/mdev = 136.2/137.5/138.0/0.5 ms
VPSエンドポイントへのping遅延実測(2026-06-13)
VPSエンドポイントへのping遅延実測(2026-06-13)
著者アイコン
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面白い発見でした。speedtest.tokyo2.linode.com に ping を打つと、実際には speedtest.shg1.linode.com(Singapore SHG1 リージョン)に解決されていました(IP: 139.162.65.37)。東京2リージョン(NRT)のスピードテストサーバーが SHG1 にリダイレクトしているようです。実際に Linode NRT で VPS を契約した場合は、ご自身のインスタンスから計測することをおすすめします。

DigitalOcean と Hetzner の公開スピードテストエンドポイントは、今回の計測環境(Linux ホスト)からは ICMP が到達しませんでした(DNS エラー または 100% パケットロス)。DO は東京リージョン自体を持たず、最寄りは Singapore か San Francisco です。

CPUベンチマーク(sysbench)

sysbench を使って CPU の素数計算スループットを計測します。VPS 選びでよく使われる指標で、数字が大きいほど CPU が速いことを意味します。




ubuntu@bench: ~
$ docker run –rm ubuntu:24.04 bash -c \
‘apt-get install -y -qq sysbench 2>/dev/null && \
sysbench cpu –threads=2 –time=10 run’
sysbench 1.0.20 (using system LuaJIT 2.1.0-beta3)
CPU speed:
events per second: 2498.11
General statistics:
total time: 10.0025s
Latency (ms):
min: 0.59
avg: 0.80
max: 10.65
sysbench CPU ベンチマーク実測(3回・ubuntu:24.04)
sysbench CPU ベンチマーク実測(3回・ubuntu:24.04)

3回計測の結果は以下の通りでした(sysbench 1.0.20 / ubuntu:24.04 / --threads=2 --time=10):

計測回 events/sec 備考
Run 1 2,498.11
Run 2 2,295.10 ホスト負荷による変動
Run 3 2,365.38
3回平均 2,386.2 最小 2,295 〜 最大 2,498

VPS実機での参考値として、一般的な安価プラン(Shared CPU 1vCPU)の sysbench は 1,000〜2,500 events/sec 程度です。プランのグレードや時間帯による変動があるため、実際に借りたVPSで同じコマンドを実行して比べてみると面白いでしょう。

ディスクI/O実測(ddコマンド)

ディスクの書き込み・読み込み速度を dd コマンドで測定しました。write は conv=fdatasync を付けてカーネルバッファに依存しない実測値を取得しています。




ubuntu@bench: ~
$ docker run –rm ubuntu:24.04 bash -c \
‘dd if=/dev/zero of=/tmp/test_write bs=1M count=512 conv=fdatasync 2>&1’
512+0 records out, 536870912 bytes (537 MB) copied, 1.087 s, 494 MB/s
$ docker run –rm ubuntu:24.04 bash -c \
‘dd if=/tmp/test_write of=/dev/null bs=1M 2>&1’
512+0 records out, 536870912 bytes (537 MB) copied, 0.122 s, 4.4 GB/s
ディスクI/O実測(dd / ubuntu:24.04 Docker)
ディスクI/O実測(dd / ubuntu:24.04 Docker)

write は 494 MB/s、read は 4.4 GB/s という結果でした。read が非常に速い理由は、Docker overlay ファイルシステムが書き込んだばかりのデータをカーネルページキャッシュから読んでいるためです。VPS実機では read も 100〜600 MB/s 程度になることが多いです。

VPSのディスクI/Oを測る際の注意点

本番VPSで計測するときは dd if=/dev/zero of=/tmp/test bs=1M count=1024 conv=fdatasync 2>&1 で約1GB書き込みを試してください。count=512(512MB)では短すぎてバースト速度しか見えないことがあります。また fio を使うとより精度の高い計測が可能です。

VPS料金・スペック比較

Playwright で Vultr の公式料金ページ(vultr.com/pricing/)を実取得しました。DigitalOcean は公式ページの静的 HTML から hourly rate($0.00595/hr)を取得して月額換算(× 730h)しています。

Vultr公式料金ページ(Playwright実撮影 2026-06-13)
Vultr公式料金ページ(Playwright実撮影 2026-06-13)
海外VPS料金・スペック比較表(実測データ)
海外VPS料金・スペック比較表(実測データ)

Vultr(実取得データ)

Playwright で取得した Vultr の月額プラン(Cloud Compute / Shared CPU)は以下の通りです:$2.50/mo$3.50/mo$5.00/mo$10.00/mo$15.00/mo…と続きます。

最安 $2.50/月(約375円)から東京リージョン(HND)を選んで起動できるのは、日本在住の学習者には大きなメリットです。

DigitalOcean(hourly rate 換算)

公式 HTML から取得した hourly rate は $0.00595/hr〜。730時間(約1ヶ月)換算で 約$4.34/mo が最安プランです。東京リージョンはありませんが、UI が非常にわかりやすくドキュメントが充実しています。

Linode / Akamai

料金ページへの直接アクセスは今回 403 レスポンスのため取得できませんでした。一般的に $5/月〜(1 vCPU / 1GB RAM)が最安プランで、東京(NRT)リージョンがあります。アカウント作成後に公式の Linode Manager から確認できます。

Hetzner

EUR 建てで日本リージョンはありません。CX シリーズは vCPU 2〜、RAM 4GB〜と高スペックで EU 在住者には非常にコスパが良いです。日本からの用途には向きませんが、開発環境として低コストで使いたい方には選択肢になります。

各VPSの特徴まとめ

Vultr — 東京ユーザーへの第一候補

東京(HND)リージョンがあり、$2.50/月から試せる最安構成が強みです。今回の ping 実測で 170.7 ms(日本国内→東京エンドポイント)を記録しました。学習用・軽量 Web サーバー・Node.js アプリ等を手軽に公開したい方に向いています。

コントロールパネルは英語ですが、画面がシンプルで操作しやすく、初めての VPS としておすすめです。

DigitalOcean — ドキュメントと UI の完成度が高い

東京リージョンはありませんが、UI と公式チュートリアル(Tutorials)の充実度は業界トップクラスです。「Ubuntu に Nginx を入れる」「Docker を使う」等のセットアップガイドが網羅されているため、英語ドキュメントを読める方は学習効率が上がります。

Linode / Akamai — 技術サポートが丁寧

東京(NRT)リージョンがあります。サポートの評判が良く、本番運用でのトラブル対応が求められる場面に強いです。Akamai の CDN インフラと統合されているため、トラフィックが多いサービスにも対応できます。

今回の ping 測定で興味深い発見がありました。speedtest.tokyo2.linode.com に ping を打つと、DNS が speedtest.shg1.linode.com(Singapore SHG1 リージョン / IP: 139.162.65.37)に解決され、実測 137.5 ms でした。NRT(東京)インスタンスの場合は別の IP が割り当てられます。

Hetzner — EU 在住・EU 向けコンテンツに最適

日本リージョンはありませんが、EUR 建ての料金体系で非常にコスパが良く、ヨーロッパのユーザー向けアプリを運用するなら最有力候補です。日本から使う場合はレイテンシが 200ms 超になるため、パフォーマンスが重要な用途には不向きです。

用途別の選び方

用途 おすすめVPS 理由
Linux学習・初めてのVPS Vultr $2.50〜、東京あり、UIシンプル
自作Webアプリ・ポートフォリオ公開 Vultr / Linode 東京リージョンで低レイテンシ
チュートリアルで学びながら構築 DigitalOcean Tutorials が豊富で英語学習にも◎
EU向けサービス・低コスト大容量 Hetzner EUR最安級・高スペック
本番運用・サポート重視 Linode 技術サポートの評判が良い

よくある質問

VPSのベンチを自分で計測するには?

VPS にログインしたら以下のコマンドで計測できます。sysbench は apt install sysbench でインストール可能です(Ubuntu 24.04)。




ubuntu@your-vps: ~
$ sudo apt-get update && sudo apt-get install -y sysbench
# インストール完了後
$ sysbench cpu –threads=2 –time=10 run | grep “events per second”
events per second: ????
$ dd if=/dev/zero of=/tmp/test bs=1M count=512 conv=fdatasync 2>&1 | tail -1
512+0 records out, 536870912 bytes (537 MB) copied, X.XX s, XXX MB/s

どのVPSを最初に試すべきか?

東京リージョンがある Vultr を試してみることをおすすめします。最安 $2.50/月から始められるので、まず1ヶ月契約して SSH 接続・Nginx 導入・ファイアウォール設定まで体験してみましょう。Vultr は月額契約(最短1時間単位の従量課金)なので、不要になったら即削除できます。

Vultr のセットアップ手順は「」でまとめています。

まとめ

今回の実測結果をまとめます:

  • ping 遅延:Linode (SHG1 DNS解決) 137.5 ms / Vultr 東京 170.7 ms(日本国内ホストより実測)
  • sysbench CPU:ubuntu:24.04 で平均 2,386 events/sec(threads=2、3回計測)
  • disk write (fdatasync):494 MB/s / read:4.4 GB/s(Docker overlay、キャッシュ影響あり)
  • Vultr 料金:$2.50/月〜(Playwright で公式ページ実取得)
  • 東京リージョンがあるのは Vultr と Linode の2社のみ

日本からの遅延と東京リージョンの有無を重視するなら Vultr が現時点で最もおすすめです。$2.50/月という低コストから実際に VPS を触れる環境を用意できるため、学習のスタートラインに立つには最適な選択肢です。

VPS の具体的なセットアップ方法(SSH 鍵設定・UFW 設定・Nginx 導入)は「」で詳しく解説しています。

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