「国内VPSと海外VPS、どっちを選べばいいの?」と迷っている方はとても多いと思います。料金はほぼ同じように見えるのに、なぜわざわざ海外を選ぶ人がいるのか、逆に国内を推す人がいるのか——実は両者の差は「速度」「料金体系」「サポート」の3点で大きく変わってきます。
本記事では、実際に各VPSの公式サイトから料金データをPlaywrightで取得し、さらに日本国内から各リージョンへpingを打って遅延を計測した結果をもとに徹底比較しました。「まずどっちを選べばいいか」という結論も最初に出しています。
この記事のポイント
- 国内リージョン(東京)VPSのpingは平均7〜21ms、海外(シンガポール)は105ms以上——14倍以上の差(実測 2026-06-14)
- Vultr・Linodeは海外企業だが東京リージョンあり——遅延は国内VPSと遜色ない
- DigitalOceanは東京リージョンなし——日本向けサービスには不向き
- 料金はどちらも1GB RAM で 700〜900円/月 前後(実測価格)
- 日本語サポートが必要なら国内VPS(ConoHa・さくら)一択
目次
比較の前提(計測環境・プラン・計測日)
まず比較の条件を明確にしておきます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 計測日 | 2026年6月14日 |
| 計測元 | 日本国内(macOS / 一般的なISP) |
| pingコマンド | ping -c 10 <エンドポイント>(10パケット計測) |
| 料金取得方法 | 各VPS公式サイトを Playwright で実際にアクセスして取得(2026-06-14) |
| 比較プラン | 最小〜ベーシックプラン(RAM 512MB〜1GB クラス) |
| 比較対象 | Vultr・Linode/Akamai・DigitalOcean・Hetzner(海外)、ConoHa VPS・さくらのVPS(国内) |
注意
VPS料金はキャンペーン・為替・プラン変更により変動します。最新料金は必ず公式サイトでご確認ください。本記事の数値は2026年6月14日時点の実取得データです。
遅延の実測結果——これが一番重要
国内VPSと海外VPSの最大の違いは「ネットワーク遅延(レイテンシ)」です。実際に日本国内から各VPSの公開スピードテストエンドポイントへping -c 10を実行した結果がこちらです。

結果を見ると、国内(東京)リージョンは7〜21msなのに対し、シンガポールは105ms、フランクフルトは249msという大きな差が出ました。
実際のコマンド実行の様子はこちらです。

Vultr 東京への ping 実行結果を具体的に見てみましょう。
PING hnd-jp-ping.vultr.com (108.61.201.151): 56 data bytes
— hnd-jp-ping.vultr.com ping statistics —
10 packets transmitted, 10 packets received, 0.0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 6.399/7.414/8.563/0.659 ms
続いて、同じ Vultr のシンガポールリージョンへのpingです。
PING sgp-ping.vultr.com (45.32.100.168): 56 data bytes
Request timeout for icmp_seq 7
— sgp-ping.vultr.com ping statistics —
10 packets transmitted, 9 packets received, 10.0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 81.637/104.978/167.935/26.502 ms
①驚いた発見:海外VPSでも「東京リージョンがあれば」国内と変わらない
正直、この検証で一番驚いた結果がこれです。VultrとLinodeは海外企業ですが、東京リージョンを持っているため、日本国内から見た遅延は純粋な国内VPSとほぼ変わりませんでした(Vultr東京: 7.4ms、Linode東京: 17.4ms)。
一方、DigitalOceanは東京リージョンを持っていないため、最寄りはシンガポールになります。シンガポールへのpingは105msでした。日本向けのWebサービスやゲームサーバーには向きません。
つまり「国内 vs 海外」というより、「東京リージョンがあるか どうか」が本当の判断基準です。
料金比較——実際に公式サイトから取得
次に料金を比較します。Playwright を使って各VPS公式サイトを実際に開き、表示された料金を取得しました。



Vultrの実際の料金ページから取得したCloud Computeプランの一覧はこちらです。
vCPU Memory Bandwidth Storage Monthly Price Hourly Price
──────────────────────────────────────────────────────────────────
1 vCPU 0.5 GB 0.50 TB 10 GB $2.50/mo $0.004/hr (IPv6 Only)
1 vCPU 0.5 GB 0.50 TB 10 GB $3.50/mo $0.005/hr
1 vCPU 1 GB 1.00 TB 25 GB $5.00/mo $0.007/hr ← 最安・東京対応
1 vCPU 2 GB 2.00 TB 55 GB $10.00/mo $0.015/hr
2 vCPU 2 GB 3.00 TB 65 GB $15.00/mo $0.022/hr
2 vCPU 4 GB 3.00 TB 80 GB $20.00/mo $0.03/hr
Vultr の最安プランは$5/月(約750円)で、東京リージョンでも使えます。
ConoHa VPS の料金(実取得)は「まとめトク」36ヶ月プランでキャンペーン価格が適用されており、1GBプランが763円/月〜でした。時間課金のトライアルとしては512MBプランが296円/月〜という表記も確認できました。
さくらのVPSは年額一括払いで1GBプランが908円/月相当(東京リージョン)でした。
料金で注意すべきポイント
海外VPSの為替リスクに注意
VultrやDigitalOceanはドル建て請求です。$5/mo は今(2026年6月)なら約750円ですが、円安が進むと支払い額が増えます。国内VPSは円建てなので為替の影響を受けません。安定した予算管理をしたい方には国内VPSが向いています。
各サービスの特徴まとめ
①Vultr(海外・東京リージョンあり)
Vultrは個人学習・個人開発者に最もコスパが高い選択肢の一つです。東京リージョンがあるため、日本からのアクセス速度は国内VPS並み(実測avg 7.4ms)。$5/月から始められ、時間課金なので使い捨てのテスト環境も作りやすいです。
デメリットは日本語サポートがない点と、ドル建て請求で為替の影響を受ける点です。
②Linode / Akamai Cloud(海外・東京2リージョンあり)
LinodeはAkamaiに買収されてブランドが「Akamai Cloud」へ移行中ですが、サービスの中身は変わりません。Vultrと同じく$5/月から、東京2(Tokyo2)リージョンがあり、実測で17.4msと良好な遅延を示しました。
Vultrと比較すると、Linodeは古くからある老舗サービスでドキュメントの充実度が高いという評判があります。英語での情報収集が苦にならない方には良い選択肢です。
③DigitalOcean(海外・東京リージョンなし)
DigitalOceanは開発者向けUIが使いやすく人気ですが、2026年6月時点で東京リージョンがありません。最寄りはシンガポール(実測 ping: N/A、類似例で約100ms超)。日本向けのWebサービスやゲームサーバーには向きませんが、グローバル展開するサービスや、APIの使いやすさを重視する場合には選択肢になります。
④Hetzner Cloud(欧州・日本リージョンなし)
HetznerはEUで圧倒的なコスパを誇るVPSプロバイダーです。CX22プランは2vCPU/2GB RAM/40GB SSDで€4.51/月(約700円)と、このスペックでは最安クラス。ただし日本からのping遅延は248msと非常に大きく(実測)、日本向けの用途には向きません。EU圏にサービスを展開したい、または欧州サーバーが必要な場合に限り有力候補になります。
⑤ConoHa VPS(国内・東京リージョン)
GMOインターネットグループが提供する国内VPSです。日本語サポートが充実しており、「初めてVPSを借りる」という方への敷居が低いのが最大の特徴です。時間課金制なので短期間のテスト利用でも始めやすく、長期契約(まとめトク)で割引が効きます。
実際の料金は2026年6月14日時点でキャンペーン適用中(〜2026年6月25日まで最大72%OFF)の36ヶ月まとめトクで1GBプランが763円/月〜でした。コントロールパネルが日本語で使いやすいため、LinuxやVPSの操作自体を学びながら使いたい初学者にとっては非常に向いています。
⑥さくらのVPS(国内・東京/大阪/石狩リージョン)
さくらインターネットが提供する老舗国内VPSです。2週間無料トライアル(クレジットカード払い)があり、まずお試しで触ってみたい方に向いています。東京・大阪・石狩の3リージョンから選べるのも特徴です。
2026年6月14日実取得価格:年額一括払い時の月換算で1GBプランが東京908円/月、大阪858円/月、石狩807円/月でした。
用途別の選び方
| 用途 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| Linux入門・学習用 | Vultr 東京 or ConoHa VPS | Vultrは$5/月で時間課金、ConoHaは日本語サポートで安心 |
| 個人Webサービス(日本向け) | Vultr 東京 or ConoHa VPS | 東京リージョンで低遅延(実測avg 7〜21ms) |
| Minecraftなどゲームサーバー(日本) | ConoHa VPS or Vultr 東京 | 遅延が命——東京リージョン必須。日本語サポートのConoHaが安心 |
| グローバル向けサービス | Vultr or DigitalOcean | 世界各地にリージョンあり、グローバル展開しやすい |
| EU向けサービス・低コスト優先 | Hetzner Cloud | EU最安クラス。日本からの遅延は諦める |
| 初めてのVPS / 試し使い | さくらのVPS | 2週間無料トライアルあり、日本語サポート |
こんな人に向いている
海外VPS(Vultr・Linode)が向いている人
- 英語ドキュメントを読むのが苦にならない
- 為替リスクを許容できる(またはドル払いの方が都合よい)
- APIやCLIを積極的に使いこなしたい
- グローバルに複数リージョンを使いたい
国内VPS(ConoHa・さくら)が向いている人
- VPSを初めて触る、Linuxを学び始めたばかり
- 日本語サポートに電話やチャットで問い合わせたい
- 円建てで安定した月額費用を管理したい
- 試してみてから決めたい(無料トライアルを活用)
まとめ
本記事で実測した結果を整理します。
- 国内(東京)リージョンのpingは7〜21ms、海外(シンガポール/欧州)は100〜249ms——遅延は東京リージョンの有無で決まる
- Vultr・Linodeは海外VPSだが東京リージョンがあり、遅延は国内VPS並み
- DigitalOceanは東京リージョンなし——日本向けサービスには向かない
- 料金はほぼ横並びで700〜900円/月前後(2026年6月実測)
- 日本語サポートが必要ならConoHa VPS・さくらのVPS一択
- コスパ最優先・英語OK ならVultr 東京($5/月・実測7.4ms)がベスト
まずは「自分のサービスが日本向けか・グローバルか」と「日本語サポートが必要か」の2点で絞り込んでみてください。迷ったらVultr 東京(時間課金で試せる)またはさくらのVPS(2週間無料)で実際に触れてみるのが一番です。

おすすめのVPSを試してみる
VPSの初期設定(SSH接続・セキュリティ強化)については VPS初期設定ガイド を参考にしてください。



コメント