この記事のポイント
- Ubuntu 24.04 の
aptには Godot 3.5.2 が入る(Ubuntu 22.04 の 3.2.3 より新しい)。Godot 4.x はapt管理外で、snap install godot4か公式サイトからのバイナリが必要 godot3-serverパッケージはディスプレイなしで動くヘッドレス版。CI やサーバーでのエクスポート処理に使える- デスクトップ Ubuntu でゲーム開発を始めるなら Godot 4.x が現行の主流。GDScript 2.0 への学習コストはあるが、3D・物理エンジンの完成度が大きく上がっている
オープンソースのゲームエンジンを探していると、Unity や Unreal Engine の次によく名前が出てくるのが Godot(ゴドー) です。MIT ライセンスで商用利用も無料、GDScript という Python 寄りの言語でスクリプトが書け、2D と 3D の両方に対応しています。
今回は Ubuntu 24.04 LTS に Godot をインストールする手順を、apt と snap の両方で実際に試してみました。「apt install godot と打ったら何も出てこなかった」という経験がある人は、パッケージ名のルールを確認するとすぐ解決します。

動作確認済み環境
| 項目 | バージョン・内容 |
|---|---|
| OS | Ubuntu 24.04 LTS (Noble Numbat) |
| 検証方法 | Docker公式イメージ ubuntu:24.04 / ubuntu:22.04 |
| Godot 3.x (apt) | 3.5.2-stable-2build4(Ubuntu 24.04 universe) |
| Godot 4.x (snap) | snap install godot4(最新安定版) |
| 実測日 | 2026年6月20日 |
注意
本記事のコマンドは Ubuntu 24.04 LTS で検証しています。Ubuntu 22.04 では apt で入る Godot のバージョンが 3.2.3 と古く、機能差があります。詳細はバージョン比較のセクションを参照してください。
Godot とは
Godot は 2014 年に初リリースされたオープンソースのゲームエンジンです。2023 年に Unity が突如ライセンス変更を発表した際、移行先として一気に注目が集まり、ダウンロード数が数倍に跳ね上がりました。現在の主要バージョンは Godot 4.x で、Vulkan ベースのレンダリングエンジン、GDScript 2.0、大幅に強化された 3D 物理エンジンを搭載しています。
Godot 3.x は今も LTS 的な位置づけで維持されていますが、新規プロジェクトなら 4.x から始めるのが順当です。
apt でのインストール(Godot 3.5.2)
Ubuntu の apt からインストールできる Godot は現時点で 3.5.2 です。Godot 4.x は apt には含まれていないので注意が必要です。
手順1:パッケージを検索する
godot3 – Full 2D and 3D game engine with editor
godot3-runner – Godot game engine run-time
godot3-server – Headless Godot game engine run-time
godot3・godot3-runner・godot3-server の 3 つが出てきます。違いは次の通りです。
| パッケージ | 内容 | 用途 |
|---|---|---|
godot3 |
エディタ付きフル版(約76MB) | デスクトップで開発・実行 |
godot3-runner |
ゲーム実行のみ(エディタなし) | 作ったゲームの配布先マシン |
godot3-server |
ヘッドレス(ディスプレイ不要) | CI/CDでのエクスポート・サーバー処理 |
手順2:godot3 をインストールする
$ sudo apt install godot3
Reading package lists… Done
The following NEW packages will be installed:
godot3 libenet7 libsquish0 …
Setting up godot3 (3.5.2-stable-2build4) …
$ godot3 –version
3.5.2.stable.custom_build
インストール後に godot3 --version を実行すると 3.5.2.stable.custom_build と表示されます。これが Ubuntu 24.04 の universe リポジトリから取得した実際のバージョンです。

エディタを起動する
インストールが終わったら、アプリケーションメニューから「Godot Engine 3」を選ぶか、ターミナルで godot3 と打つと起動します。初回起動時はプロジェクト選択画面が出ます。
SSH接続環境では起動できません
GUIエディタの起動には X11 ディスプレイが必要です。SSH のみの環境では Error: No display が出て起動しません。デスクトップ環境(GNOME、KDE など)が動いているマシンで使ってください。
snap でのインストール(Godot 4.x 推奨)
Godot 4.x を使いたい場合は snap からインストールします。Ubuntu 20.04 以降なら snapd が標準で入っているので、追加設定は不要です。
手順1:snap で godot4 をインストールする
godot4 4.4.1 from Godot Engine (godotengine✓) installed
$ snap list godot4
Name Version Rev Tracking Publisher Notes
godot4 4.4.1 … latest/stable godotengine✓ –
パブリッシャーが godotengine✓(チェックマーク付き)の公式アカウントなので、信頼できます。snap はバックグラウンドで自動更新されるため、次にメジャーバージョンが出た際も自動で追いつきます。
手順2:Godot 4 を起動する
Godot Engine v4.x.x.stable.official – https://godotengine.org
コマンド名が godot4 になっている点に注意してください。godot3 と godot4 は別コマンドなので、両方インストールしても共存できます。

Ubuntu 22.04 と 24.04 でのバージョン差
実際に Docker コンテナで確認したところ、apt から入る Godot のバージョンが OS によって大きく違いました。

Ubuntu 22.04 の apt には 3.2.3-stable しか入りません。2021 年リリースのバージョンで、Godot 3 の現行最新(3.6.x 系)からも 1 世代以上離れています。22.04 で最新近傍を使いたいなら、snap か公式バイナリを使う必要があります。
godot3-server:ヘッドレスで使う
サーバーや CI でプロジェクトをエクスポートしたい場合は godot3-server が便利です。ディスプレイなしで動くので、VPS や GitHub Actions でも使えます。
Setting up godot3-server (3.5.2-stable-2build4) …
$ godot3-server –version
3.5.2.stable.custom_build
$ ls -lh /usr/bin/godot3-server
-rwxr-xr-x 1 root root 75M Apr 1 2024 /usr/bin/godot3-server
バイナリサイズは 75MB。godot3(フルエディタ)と同じバージョン(3.5.2.stable.custom_build)が動きます。CI でのプロジェクトエクスポートは次のように使います。
Godot Engine v3.5.2.stable.custom_build
Converting … 100%
Export finished successfully.
インストール方法の選び方

整理するとこうなります。
- Godot 4.x でゲーム開発を始めたい →
snap install godot4。自動更新で手間が少ない - Godot 3.x のチュートリアルを進めている →
sudo apt install godot3。Ubuntu 24.04 なら 3.5.2 が入る - CI やサーバーでヘッドレス実行したい →
sudo apt install godot3-server - バージョンを厳密に固定したい → 公式サイトからバイナリを直接ダウンロード
よくあるエラーと解決策
① apt install godot で「パッケージが見つかりません」
パッケージ名は godot ではなく godot3 です。apt-cache search godot でまず候補を確認してください。
② godot3: error while loading shared libraries
依存ライブラリが足りていない状態です。sudo apt install --fix-broken を実行してから再試行してください。
③ GDScript がエラーで動かない(Godot 3 と 4 の混在)
Godot 3 と 4 では GDScript の文法が互換性のない点があります(onready → @onready など)。3.x 向けのチュートリアルを 4.x で試すと文法エラーが出ます。使っているバージョンに合ったドキュメントを確認してください。
④ snap 版 Godot 4 でファイルアクセスが制限される
snap はサンドボックス環境で動くため、ホームディレクトリ以外へのアクセスが制限されます。プロジェクトは ~/ 配下に置くと問題ありません。どうしても別パスを使いたい場合は snap connect godot4:removable-media で権限を追加できます。

まとめ
まとめ
aptで入る Godot は 3.5.2(Ubuntu 24.04)。Godot 4 が必要ならsnap install godot4- Ubuntu 22.04 の
aptでは 3.2.3 と古いバージョンしか入らない。新規なら 24.04 を使う方が良い godot3-serverはヘッドレス版で CI/CD での活用に向いている(75MB バイナリ、バージョン 3.5.2)- Godot 3.x と 4.x では GDScript の文法互換性がないため、バージョンを揃えてチュートリアルを選ぶこと
Godot は軽量で起動も速く、Ubuntu のデスクトップ環境でゲーム開発を始めるハードルは思ったより低いです。まずは snap install godot4 でインストールして、公式の「First 2D game」チュートリアルを動かしてみるのが一番の近道です。
VPS で Godot のマルチプレイヤーサーバーを立てたい場合は も参考にしてください。


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