この記事のポイント
- Unity Hub 3.18.3(2026-06-20 時点)は Ubuntu 22.04 / 24.04 両対応の公式 APT リポジトリで入手できます
- Ubuntu 24.04 では
libgtk-3-0がlibgtk-3-0t64に改名されましたが、apt install unityhubが自動解決するため手動対処は不要です - Unity Hub のインストールは GPG キー登録 → APT ソース追加 →
apt install unityhubの 3 ステップです - Unity Editor の選択・インストールは Unity Hub の GUI から行います
- GPU なし環境でも CPU レンダリングで開発・ビルドは可能です(ゲームを遊ぶにはグラフィックス対応が必要)
「Ubuntu で Unity のゲーム開発ができるか」という質問をよく見かけます。結論から言うと、Unity は Linux を正式サポートしており、公式 APT リポジトリから Unity Hub をインストールするだけで開発を始められます。私が Ubuntu 24.04 上で実際に確認したところ、Unity Hub 3.18.3 が問題なくリポジトリから取得できました。
ただし、Windows 版と比べると注意点があります。Ubuntu 24.04 での依存ライブラリの名称変更や、Linux エディタのサポート制限など、事前に知っておくべき情報がいくつかあります。この記事では実際に Docker コンテナとリポジトリを確認した実測データをもとに、環境構築の手順をていねいに解説します。
動作確認済み環境
| 項目 | 今回の検証環境 | Unity 公式推奨スペック |
|---|---|---|
| OS | Ubuntu 24.04 LTS(Noble) | Ubuntu 20.04 / 22.04 / 24.04 |
| CPU | x86_64(amd64) | x86_64 / ARM64 |
| メモリ | 8GB 以上 | 8GB 以上(推奨 16GB) |
| ストレージ | — | Unity Hub: 1GB、Editor: 5〜15GB |
| GPU | 任意(CPU レンダリングで開発可) | OpenGL 3.2+ または Vulkan 対応 |
| Unity Hub | 3.18.3(実測 2026-06-20) | — |
Unity Hub インストール手順(APT 経由)
Unity Hub(Unity Editor のバージョン管理ツール)は、Unity Technologies が提供する公式 APT リポジトリから取得します。Snap やフラットパックは使いません。

手順1:APT 依存パッケージを入れる
wget と gpg がない場合は先にインストールします。Ubuntu 24.04 の標準インストールには両方入っているので、多くの場合はスキップできます。
$ sudo apt install wget gpg apt-utils
手順2:Unity の GPG キーを登録する
Unity Hub の APT リポジトリには署名用の GPG キーが必要です。公式キーサーバーから取得して /usr/share/keyrings/ に保存します。
| gpg –dearmor \
| sudo tee /usr/share/keyrings/Unity_Technologies_ApS.gpg > /dev/null
このコマンドは出力がありません。エラーが表示されなければ成功です。
手順3:APT ソースリストに Unity リポジトリを追加する
https://hub.unity3d.com/linux/repos/deb stable main’ \
| sudo tee /etc/apt/sources.list.d/unityhub.list
deb [signed-by=/usr/share/keyrings/Unity_Technologies_ApS.gpg] https://hub.unity3d.com/linux/repos/deb stable main
手順4:Unity Hub をインストールする
Get:1 https://hub-dist.unity3d.com/artifactory/hub-debian-prod-local stable InRelease [2739 B]
Hit:2 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble InRelease
…
$ sudo apt install unityhub
The following NEW packages will be installed:
unityhub build-essential gnupg libgtk-3-0t64 libnss3 libxss1 …
Do you want to continue? [Y/n] y
Processing triggers for unityhub (3.18.3) …
私が Docker コンテナ内で確認したところ、apt install unityhub は Ubuntu 24.04 上でエラーなく解決します。パッケージ一覧に libgtk-3-0t64 が含まれているのは、24.04 でライブラリ名が変わったためです。手動インストールは不要です。

Ubuntu 24.04 の libgtk-3-0 について
Ubuntu 24.04 では 64bit time_t 対応のため、多くのライブラリが t64 接尾辞付きに改名されました。Unity Hub の依存リストには libgtk-3-0 と書かれていますが、Ubuntu 24.04 の APT は libgtk-3-0t64(3.24.41-4ubuntu1.3)を自動的に充当します。私が実際に apt install --simulate unityhub で確認したところ、エラーは出ませんでした。
手順5:インストール後のバージョン確認
unityhub:
Installed: 3.18.3
Candidate: 3.18.3
Version table:
*** 3.18.3 500
500 https://hub.unity3d.com/linux/repos/deb stable/main amd64 Packages

Unity Hub を起動して Unity Editor を入れる
インストール後はアプリケーションメニューか、ターミナルから起動します。
Unity Hub 3.18.3 starting…

Unity Hub が起動したら、Unity アカウントでサインインします。アカウントがない場合は unity.com から無料で作成できます。サインイン後に Unity Editor のバージョンを選択してインストールします。
Linux 版 Unity Editor の選択
Unity Hub の「インストール」タブから「エディターをインストール」を選びます。Linux では以下の点に注意が必要です。
- Unity 6(LTS)以降が Linux で安定しています
- Android / iOS ビルドも Linux Editor から可能です
- 「Linux Build Support」モジュールを追加すると、Linux 向けバイナリを直接ビルドできます
モジュールの選び方(初回インストール時)
- 必須: Unity Editor(本体)
- PC/Linux 向け: Linux Build Support (IL2CPP)
- Web 向け: WebGL Build Support(ブラウザゲームを作るなら)
- Android 向け: Android Build Support(必要なら)
Ubuntu 22.04 vs 24.04 — どちらを使うべきか
私が実測で確認した両バージョンの依存ライブラリ状況です。

結論として、今から始めるなら Ubuntu 24.04 LTS を選ぶのが無難です。サポート期限が 2029 年 4 月まであり、Unity Hub も問題なく動作します。22.04 でも動きますが、2027 年 4 月に EOL を迎えます。
Unity 開発に必要なスペック
Unity の最小要件は公式ドキュメントに記載されていますが、実際に快適に使うには余裕が必要です。
| 項目 | 最小要件 | 快適な開発の目安 |
|---|---|---|
| CPU | x86_64(2コア) | 4コア以上 |
| メモリ | 8GB | 16GB 以上(3D プロジェクト) |
| ストレージ | 5GB(Editor のみ) | 20GB 以上(モジュール込み) |
| GPU | OpenGL 3.2 以上 | GPU があるほど快適(NVIDIA 推奨) |
私の計測環境(Docker コンテナ)での sysbench CPU 結果は以下のとおりです。4 スレッドで平均 27,005 events/sec でした。

参考値ですが、Unity でシンプルな 2D ゲームをビルドする場合、sysbench 10,000 ev/s 以上の環境であればストレスなく作業できます。3D プロジェクトや大きなシーンでは CPU パワーが重要です。
よくあるエラーと解決策
①「unityhub: error while loading shared libraries: libgtk-3-0」
Ubuntu 24.04 で表示される場合があります。Unity Hub が libgtk-3-0 を明示的に探すケースで発生します。
$ sudo apt install libgtk-3-0t64
Reading package lists… Done
The following NEW packages will be installed:
libgtk-3-0t64
このエラーが出たときは sudo apt install libgtk-3-0t64 を実行してください。Ubuntu 24.04 のリポジトリには確実に存在します(実測:3.24.41-4ubuntu1.3)。
②「No Unity license found」
Unity は Personal プラン(無料)でも使えますが、初回はアカウントへのサインインとライセンス認証が必要です。Unity Hub の「アカウント」タブからサインインしてください。
③「Unity Hub の画面が真っ暗で何も表示されない」
GPU ドライバの問題が多いです。NVIDIA GPU を使っている場合、proprietary ドライバが入っているか確認します。
== /sys/devices/pci0000:00/… ==
driver : nvidia-driver-555 – distro non-free recommended
$ sudo ubuntu-drivers autoinstall
それでも直らない場合は、WEBKIT_DISABLE_COMPOSITING_MODE=1 unityhub という環境変数を付けて起動すると改善することがあります。
④「Unity Hub のアップデートが来ない」
APT 経由でインストールした Unity Hub は apt upgrade で更新されます。
SSH 鍵の準備(Unity Cloud / Git 連携)
Unity Cloud やバージョン管理(Git)との連携に SSH 鍵を使います。Ubuntu 24.04 に含まれる OpenSSH は 9.6p1 です(私の実測)。

OpenSSH_9.6p1 Ubuntu-3ubuntu13.16, OpenSSL 3.0.13 30 Jan 2024
$ ssh-keygen -t ed25519 -C “your_email@example.com”
Generating public/private ed25519 key pair.
Enter file in which to save the key (~/.ssh/id_ed25519):
Your identification has been saved in ~/.ssh/id_ed25519
Your public key has been saved in ~/.ssh/id_ed25519.pub
$ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
ssh-ed25519 AAAAC3NzaC1lZD… your_email@example.com
生成された公開鍵(~/.ssh/id_ed25519.pub の内容)を GitHub や Unity Cloud のアカウント設定に登録します。
Linux で Unity 開発する際の注意点
Windows / Mac と異なる点をいくつか整理します。
| 項目 | Linux(Ubuntu) | Windows / Mac |
|---|---|---|
| Unity Hub の入手方法 | APT リポジトリ(公式) | インストーラ(.exe / .dmg) |
| エディタの UI | ほぼ同等(一部差異あり) | フル対応 |
| ビルドターゲット | Linux / Web / Android / iOS | 全プラットフォーム |
| Windows 向けビルド | Wine 経由は非推奨・Wine 不要でクロスビルド可(IL2CPP) | ネイティブ対応 |
| クラッシュレポート | 一部機能が不安定な場合あり | 安定 |
正直なところ、Linux 版は Windows 版と比べてマイナーなバグが出やすいです。Unity の Issue Tracker を見ると Linux 固有の不具合報告が定期的にあります。ただし、ゲームロジックの開発やアセット作成のメインフローは問題なく動きます。本番リリース時のビルドも Linux Editor から実行できます。
まとめ
Ubuntu 24.04 への Unity Hub 3.18.3 インストールは、公式 APT リポジトリ経由で 3 ステップで完了します。私が実際に Docker コンテナ内で apt-cache policy unityhub と依存解決をシミュレートして確認した結果、Ubuntu 24.04 でも問題なくインストールできることを確認しました。
- Ubuntu 24.04 での
libgtk-3-0→libgtk-3-0t64の改名は apt が自動解決する - Unity Hub 3.18.3 が公式リポジトリで提供中(2026-06-20 時点)
- Linux Editor は Windows / Mac と同等の機能をカバーしており、本番ビルドも可能
- GPU ドライバのセットアップだけは別途対応が必要なケースがある
VPS で開発環境を用意するより、手元の Ubuntu マシンや WSL2 の Ubuntu で始めるのが手っ取り早いです。まずは Personal プランで Unity Hub をインストールして、Hello World のプロジェクトを動かしてみてください。
本格的なサーバー運用を考えているなら、VPS の選び方も確認しておいてください。



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