用途別Ollamaモデルの選び方【コーディング/日本語/軽量】

ローカルLLM

「Ollamaを入れたけど、どのモデルを使えばいいの?」と迷っている方は多いと思います。Ollama公式ライブラリには数百のモデルが登録されており、選択肢が多すぎて逆に困ってしまうのが正直なところです。

結論から言うと、用途が決まればモデルも自然に絞れます。日本語チャットなら qwen3:0.6b、コーディング支援なら qwen2.5-coder:7b、RAM 8GB以下の低スペック環境なら qwen2.5:0.5b が2026年6月時点での実用的な出発点です。

本記事では実際にOllama v0.30.8 で各モデルを動かし、コード生成・日本語QA・Bashスクリプト生成の3プロンプトでトークン速度を計測した実測データをもとに解説します。

この記事のポイント

  • 日本語・軽量用途は qwen3:0.6b または qwen2.5:0.5b が最速クラス(実測 237〜254 tok/s)
  • コーディング支援は専用モデル qwen2.5-coder:7b / deepseek-coder:6.7b が精度で圧倒的に優れる
  • RAM 8GB以下の環境でも qwen2.5:0.5b(397 MB)なら快適に動作する
  • ollama pull <モデル名> で即ダウンロード。複数モデルを入れて使い分けがおすすめ
  • Ollama v0.30.8 / Ubuntu 24.04.4 LTS(Docker実測)で検証済み

目次

  1. 検証環境と前提条件
  2. モデル選択の基本的な考え方
  3. 軽量モデル編(RAM 8GB以下向け)
  4. コーディング支援向けモデル
  5. 日本語チャット向けモデル
  6. 推論・数学問題向けモデル
  7. 用途別早見表と速度比較
  8. モデルのインストール方法
  9. まとめ

検証環境と前提条件

本記事の実測データは以下の環境で取得しています。

項目 内容
Ollama バージョン v0.30.8(2026-06-14時点の最新安定版)
動作環境 macOS Apple Silicon M1 Pro(CPU推論)
Ubuntu 確認環境 Ubuntu 24.04.4 LTS(Docker公式イメージ)
ベンチ条件 コード生成・日本語QA・Bashスクリプト生成の3プロンプト平均

Ollamaのインストール自体がまだの方は、まず (Ollamaインストールガイド)を参考にしてください。




ubuntu@linuxlab: ~
$ ollama –version
ollama version is 0.30.8
$ curl -s http://localhost:11434/api/version
{“version”:”0.30.8″}
Ubuntu 24.04.4 LTS 環境確認(Docker実測)
Ubuntu 24.04.4 LTS 環境確認(Docker実測)

モデル選択の基本的な考え方

Ollamaのモデルを選ぶときに押さえておくべき指標は、大きく3つあります。

①パラメータ数(モデルサイズ)

モデル名の末尾についている 0.5b7b はパラメータ数を指します。「b」は billion(10億)の略で、数が大きいほど精度は上がりますが、必要なメモリとディスク容量も増えます

パラメータ規模 目安RAM 目安ストレージ 向いている用途
0.5b〜1.5b(超小型) 4〜8 GB 400MB〜1.3GB 軽量用途・日本語チャット・試し用
3b〜4b(小型) 8 GB 2〜3 GB 日本語・コード・汎用バランス型
7b〜8b(中型) 16 GB 4〜5 GB コーディング支援・高精度チャット
14b以上(大型) 32 GB以上 8 GB〜 高精度推論・本格活用(GPU推奨)

②量子化(ファイルサイズの圧縮)

モデル名に Q4_K_MQ8_0 と書かれているのが量子化レベルです。Q4が軽量・高速で、Q8が精度重視という目安で覚えてください。OllamaのデフォルトはQ4_K_Mなので、初心者はあまり気にしなくて大丈夫です。

③モデルの系列(開発元・特化領域)

どの会社が、何を目的として学習させたかがモデルの特性を決めます。コード専用・日本語重視・推論特化など、用途に合った系列を選ぶと精度が大きく変わります。

軽量モデル編(RAM 8GB以下向け)

「古いPCしかない」「VPSのスペックが低い」という方でも、0.5b〜1.5bクラスのモデルであれば十分実用的に使えます。実測した5モデルの速度比較がこちらです。

モデル別トークン生成速度(実測 / Ollama v0.30.8 / M1 Pro)
モデル別トークン生成速度(実測 / Ollama v0.30.8 / M1 Pro)

①Qwen3 0.6B(qwen3:0.6b)— 実測 253.9 tok/s

Alibaba が2025年にリリースした最新世代モデルです。今回の実測で最速の 253.9 tok/s(コード・日本語・Bash 3プロンプト平均)を記録しました。ファイルサイズは522 MBで、日本語の品質が高く、推論モード(<think>タグ)にも対応しているのが特徴です。




ubuntu@linuxlab: ~
$ ollama pull qwen3:0.6b
pulling manifest
pulling 7df6b6e09427… 100% ▕████████████████▏ 522 MB
verifying sha256 digest
writing manifest
success
$ ollama run qwen3:0.6b “Linuxとは?3文で”
Linuxは、オープンソースのオペレーティングシステムです。
Linus Torvaldsが1991年に開発を始め、現在は世界中の開発者が
改良を重ねています。サーバーやスマートフォンなど幅広い機器で動作します。

②Qwen2.5 0.5B(qwen2.5:0.5b)— 実測 237.4 tok/s

わずか397 MB というOllamaモデルの中でも最小クラスのファイルサイズで、実測 237.4 tok/s の高速動作を記録しました。RAM 4GBのマシンでも動作し、古いVPSや低スペックPCでも快適に使えます。日本語精度はQwen3より一世代前ですが、日常的なチャットには十分です。

③Llama3.2 1B(llama3.2:1b)— 実測 186.9 tok/s

Meta製のLlamaシリーズ最小モデルです。英語精度が高く、コード生成でシンプルな関数を書かせると正確です。ただし日本語は他の2モデルに比べると品質がやや劣るため、英語コンテンツを扱う場面に向いています。

④Gemma3 1B(gemma3:1b)— 実測 147.3 tok/s

Google DeepMindが開発したGemma3の最小版です。マルチモーダル対応(画像理解機能)がシリーズの特徴ですが、1Bクラスでは画像機能は限定的です。今回の実測では5モデル中最も低速(147.3 tok/s)でしたが、汎用タスクでのバランスは良好です。

⑤DeepSeek-R1 1.5B(deepseek-r1:1.5b)— 実測 154.8 tok/s

中国DeepSeek社の推論特化モデルです。<think>タグで思考過程を明示する独自のアーキテクチャが特徴で、数学問題や論理問題を解かせると思考ステップが見えて面白いです。1.5Bクラスの制約から推論精度は限定的ですが、推論モデルを試してみたい方への入門として最適です。

Ollama 軽量モデル スペック・速度比較(実測)
Ollama 軽量モデル スペック・速度比較(実測)

コーディング支援向けモデル

コードを書かせる用途では、汎用モデルよりもコード専用学習を施したモデルのほうが圧倒的に精度が高いです。ただしこれらは7B以上が多く、RAM 16GB以上を推奨します。

注意

7B以上のモデルはCPUだけで動かすと非常に遅くなります(数tok/s程度)。快適に使うには VRAM 8GB以上のGPU、またはApple Siliconのユニファイドメモリ16GB以上を推奨します。VPSでGPU環境が必要な場合は Vultr のGPUインスタンスも選択肢です。

①qwen2.5-coder:7b — コーディング最有力

2024年末にAlibabが公開したコード特化モデルで、HumanEval・MBPP などのコードベンチマークでGPT-4oに近いスコアを記録しています。Pythonはもちろん、JavaScript・Go・Rust・SQLなど主要言語を広くカバーしており、補完精度が高いです。




ubuntu@linuxlab: ~
$ ollama pull qwen2.5-coder:7b
pulling manifest
pulling 656c5b3ea6d4… 100% ▕████████████████▏ 4.7 GB
success
$ ollama run qwen2.5-coder:7b “Write a Python function to sort a list of dicts by key”
def sort_dicts_by_key(lst, key, reverse=False):
“””Sort a list of dicts by a specified key.”””
return sorted(lst, key=lambda x: x[key], reverse=reverse)

②deepseek-coder:6.7b — 推論+コードの両立

DeepSeekのコード特化版です。数学的な問題解決能力と組み合わさった推論コード生成が得意で、アルゴリズム問題やバグ修正タスクでの精度が高い評価を得ています。Copilot系の代替として自宅サーバーやVPSで動かすユーザーが多いモデルです。

③codellama:7b — Metaのコードモデル

Meta の Llama 系列をコード用にファインチューニングしたモデルです。英語ドキュメントのコメント生成やREADME執筆が得意で、Pythonシェルとの連携が好評です。

著者アイコン
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コーディング用途は「7Bを1つ入れて試す」が最も費用対効果が高いです。qwen2.5-coder:7b をまず使ってみて、物足りなければ :14b にアップグレードするのが定番ルートです。

日本語チャット向けモデル

日本語で自然に会話させたい場合、日本語学習データが豊富なモデルを選ぶのがポイントです。英語中心に学習されたモデルに日本語を入力すると、文法がおかしかったり混在した返答になったりすることがあります。

①qwen3:0.6b / qwen2.5:7b — 日本語最有力

Alibaba の Qwen シリーズは中国語・英語に加えて日本語の学習データが豊富で、軽量クラスの中では日本語品質がトップクラスです。実測で試した qwen3:0.6b は「Linuxとは何ですか?」という日本語質問に対して、自然な文章で正確な回答を返しました。より精度を求める場合は qwen2.5:7b を使うと格段に品質が上がります。

②gemma3:4b / gemma3:12b — Googleの日本語対応

Gemma3シリーズは Google の多言語対応モデルで、日本語も含む100言語以上をサポートしています。4Bクラスであれば RAM 8GBで動作し、Qwenと比べて英語文書の要約やQAが得意な印象があります。

③llama3.1:8b — Metaの日本語対応版

Llama 3.1 からMultilingualのサポートが強化され、日本語の品質が大幅に改善されました。英語と日本語を混ぜて使うユースケース(英語ドキュメントを日本語で質問するなど)に向いています。

推論・数学問題向けモデル

数学の解法・アルゴリズム設計・複雑な論理推論など、「考える」タスクには推論特化モデルが向いています。

①deepseek-r1:7b / deepseek-r1:14b — 推論最有力

DeepSeek-R1は <think>...</think> ブロックで思考過程を明示するアーキテクチャが特徴です。数学の問題を解く際に「考えながら解く」プロセスが見えるため、学習ツールとしても使いやすいモデルです。7Bクラスで本領を発揮します。

②qwen3:8b(思考モード) — 推論+日本語の両立

Qwen3の8Bモデルは /think オプションで推論モードを切り替えられます。推論精度と日本語品質を両立したい場合の選択肢として注目されています。

用途別早見表と速度比較

ここまでの検証結果をまとめた早見表です。最初のモデル選択に迷ったらこの表を参考にしてください。

用途別おすすめOllamaモデル早見表(実測データ+公式スペック)
用途別おすすめOllamaモデル早見表(実測データ+公式スペック)

ストレージ容量が限られている環境での参考に、実測したモデルのファイルサイズ比較も載せておきます。

モデル別ストレージ容量(実測 / Ollama v0.30.8)
モデル別ストレージ容量(実測 / Ollama v0.30.8)

モデルのインストール方法

ollama pull <モデル名> コマンド1つでダウンロードできます。Ollamaが起動している状態であれば、いつでも新しいモデルを追加できます。

手順1:インストール済みモデルを確認する




ubuntu@linuxlab: ~
$ ollama list
NAME ID SIZE MODIFIED
qwen3:0.6b 7df6b6e09427 522 MB 6 hours ago
qwen2.5:0.5b a8b0c5157701 397 MB 6 hours ago
gemma3:1b 8648f39daa8f 815 MB 6 hours ago
llama3.2:1b baf6a787fdff 1.3 GB 6 hours ago
deepseek-r1:1.5b e0979632db5a 1.1 GB 6 hours ago
Ollama api/tags でインストール済みモデルを確認(Playwright実撮影)
Ollama api/tags でインストール済みモデルを確認(Playwright実撮影)

手順2:モデルをダウンロードする




ubuntu@linuxlab: ~
$ ollama pull qwen3:0.6b
pulling manifest
pulling 7df6b6e09427… 100% ▕████████████████▏ 522 MB
success
$ ollama run qwen3:0.6b
>>> ここに質問を入力してEnter(/byeで終了)

手順3:モデルの詳細スペックを確認する

ollama show コマンドで量子化レベルやコンテキスト長などの詳細情報を確認できます。




ubuntu@linuxlab: ~
$ ollama show qwen3:0.6b
Model
architecture qwen3
parameters 751.6M
context length 40960
embedding length 1024
quantization Q4_K_M

よくあるエラー:モデルが重すぎてスワップが発生する

大きなモデルを CPU 環境で動かすと、メモリ不足でスワップが発生し極端に遅くなることがあります。ollama list でサイズを確認し、自分のRAMの半分以下のサイズのモデルを選ぶのが安全です。例:RAM 8GB → 4GB以下のモデルを選択。

不要になったモデルを削除する




ubuntu@linuxlab: ~
$ ollama rm gemma3:1b
deleted ‘gemma3:1b’

まとめ

Ollamaのモデル選びは「用途」と「手元のRAM」の2軸で考えると迷いがなくなります。

  • 日本語チャット・軽量:qwen3:0.6b(522MB、実測253.9 tok/s)が2026年6月時点のベストバイ
  • 超低スペック環境(RAM 4GB):qwen2.5:0.5b(397MB)で十分な速度が出る
  • コーディング支援:qwen2.5-coder:7b が精度・汎用性ともに最有力(RAM 16GB以上推奨)
  • 推論・数学:deepseek-r1 シリーズで思考過程を可視化できる
  • まずは軽量モデルを複数入れて比較するのが、一番の近道です

本格的にローカルLLMを活用したい方は、専用のVPSやクラウドGPUの利用も検討してみてください。

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