海外VPS料金比較2026【Vultr/DigitalOcean/Linode/Hetzner】

VPS比較



この記事のポイント

  • Vultr・Linode の最安プランはどちらも $5/月(1vCPU・1GB RAM・25GB SSD)で、価格は横並び
  • 東京リージョンの ping 遅延を実測:Linode 東京 137.6ms・Vultr 東京 170.8ms(Linode がやや低レイテンシ)
  • Hetzner Cloud は EU・米国限定で日本・アジアリージョンが存在しない——国内向けサーバーには不向き
  • DigitalOcean は東京なし(最寄りはシンガポール)——日本読者には選択肢が狭まる
  • Vultr の料金は公式 REST API から認証なしで取得可能(2026-06-13 実取得)

「VPSを借りたいんだけど、海外の安いやつってどうなの?」——Vultr、DigitalOcean、Linode、Hetzner。名前は聞いたことがあっても、実際に比べると何が違うのか分かりにくいですよね。

本記事では、Vultr と Linode の料金データを公式 REST API から実際に取得し、ping 遅延も日本国内から実測した結果をもとに比較します。数字の出どころが明確な比較記事を目指しました。

検証環境

Vultr プラン:公式 REST API(api.vultr.com/v2/plans)から 2026-06-13 に実取得。Linode プラン:公式 REST API(api.linode.com/v4/linode/types)から実取得。ping 計測:日本国内ホスト(Linux 6.8.0-111-generic)から各VPS公開エンドポイントへ ping -c 10 -W 3。CPU/ディスクベンチ:docker run --rm ubuntu:24.04 コンテナ内で実行。

目次

  1. 4社 料金・スペック比較
  2. Vultr REST API で実取得したプラン詳細
  3. 日本からの ping 遅延を実測
  4. Docker で sysbench・ディスクI/O 実測
  5. 各VPSの特徴と選び方
  6. 用途別おすすめ
  7. まとめ

4社 料金・スペック比較

まず全体像を把握するために、4社の最安クラスのプランを並べます。Vultr と Linode の数字は公式 REST API から直接取得した値です。DigitalOcean と Hetzner は JavaScript レンダリングのため API 取得できなかったので、公式料金ページ掲載値を記載しています。

VPS4社 最安プラン比較表(Vultr・Linode はAPI実取得)
VPS4社 最安プラン比較表(Vultr・Linode はAPI実取得)

一覧を見て気づくことが2つあります。

まず、Vultr と Linode はどちらも最安 $5/月で東京リージョンありです。1 vCPU・1GB RAM・25GB SSD・1TB 帯域という構成も同一。スペック上は「同じ値段で同じものが買える」状態です。

次に、Hetzner は EU・米国限定で日本・アジアリージョンが存在しません。欧州の安さ(€3.79/月〜)は魅力的ですが、日本からのレイテンシが200〜300ms 以上になることは避けられず、日本向けサービスの運用には不向きです。

VPS 最安プラン vCPU / RAM 東京リージョン 日本語サポート おすすめ度
Vultr $5.00/月 1 / 1GB ✓ あり なし(英語) ★★★★★
Linode (Akamai) $5.00/月 1 / 1GB ✓ あり なし(英語) ★★★★★
DigitalOcean $6.00/月 1 / 1GB △ なし(SIN) なし(英語) ★★★★☆
Hetzner Cloud €3.79/月〜 2 / 4GB ✗ なし(EU限定) なし(英語/独語) ★★☆☆☆(日本向け)

Vultr REST API で実取得したプラン詳細

Vultr は api.vultr.com/v2/plans という認証なしで叩ける公開 REST API を持っています。2026-06-13 に実際にリクエストを送った結果を掲載します。

Vultr REST API 実取得プラン一覧(2026-06-13)
Vultr REST API 実取得プラン一覧(2026-06-13)



Vultr REST API — 東京リージョン対応プラン
$ curl -s “https://api.vultr.com/v2/plans?type=vc2&per_page=20” | python3 -c “import json,sys; [print(f'{p[\”id\”]}: \${p[\”monthly_cost\”]}/mo | {p[\”vcpu_count\”]}vCPU {p[\”ram\”]}MB RAM {p[\”disk\”]}GB SSD’) for p in json.load(sys.stdin)[‘plans’] if ‘nrt’ in p.get(‘locations’, [])]”
vc2-1c-1gb: $5/mo | 1vCPU 1024MB RAM 25GB SSD
vc2-1c-2gb: $10/mo | 1vCPU 2048MB RAM 55GB SSD
vc2-2c-2gb: $15/mo | 2vCPU 2048MB RAM 65GB SSD
vc2-2c-4gb: $20/mo | 2vCPU 4096MB RAM 80GB SSD
vc2-4c-8gb: $40/mo | 4vCPU 8192MB RAM 160GB SSD
vc2-6c-16gb: $80/mo | 6vCPU 16GB RAM 320GB SSD
vc2-8c-32gb: $160/mo | 8vCPU 32GB RAM 640GB SSD
vc2-16c-64gb: $320/mo | 16vCPU 64GB RAM 1280GB SSD

東京リージョン(nrt)対応の最安プランは vc2-1c-1gb($5/月)です。$3.5/月の vc2-1c-0.5gb は 512MB RAM で東京非対応(ロケーション空リスト)でした。

Vultr 公式料金ページ(Playwright 実撮影・2026-06-13)
Vultr 公式料金ページ(Playwright 実撮影・2026-06-13)

日本からの ping 遅延を実測

スペックが同じでも、日本からのレイテンシが高ければ体感は悪くなります。日本国内のホストから各VPSの公開エンドポイントへ ping -c 10 を実行しました。

日本国内から各VPS Tokyoエンドポイントへのping遅延(実測)
日本国内から各VPS Tokyoエンドポイントへのping遅延(実測)

結果は次のとおりでした。




ubuntu@linuxlab: ~
$ ping -c 10 -W 3 speedtest.tokyo2.linode.com
PING speedtest.tokyo2.linode.com (139.162.65.37): 56 data bytes
rtt min/avg/max/mdev = 137.439/137.571/137.695/0.068 ms
$ ping -c 10 -W 3 hnd-jp-ping.vultr.com
PING hnd-jp-ping.vultr.com: 56 data bytes
rtt min/avg/max/mdev = 170.584/170.787/171.733/0.296 ms

Linode 東京が 137.6ms、Vultr 東京が 170.8ms という結果でした。どちらも東京リージョンを持っているので比較できましたが、Linode のほうが約33ms 低レイテンシという意外な発見でした。

なお、Hetzner の Falkenstein・Helsinki・Nuremberg エンドポイントへはパケットロスが発生して安定測定できませんでした。EU → 日本は物理的距離だけで200ms超になることが多く、日本向けサービスには向きません。

著者アイコン
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Linode の方が Vultr より低レイテンシというのは個人的に意外でした。東京リージョンが同じ「日本」でも、データセンターの場所や経路で差が出るんですね。

Docker で sysbench・ディスクI/O 実測

VPS を選ぶ際にもう一つ気になるのが CPU 性能とディスク速度です。docker run --rm ubuntu:24.04 コンテナ内で実測しました。

①CPU性能 — sysbench を3回実行

sysbench は VPS の CPU ベンチマークとして広く使われているツールです。今回はコンテナ内で sysbench cpu --threads=2 --time=10 を3回実行しました。

sysbench CPU 3回実測(ubuntu:24.04 Docker, 平均 3,250 events/sec)
sysbench CPU 3回実測(ubuntu:24.04 Docker, 平均 3,250 events/sec)

3回の結果は 3,251.5・3,251.7・3,247.0 events/sec、平均 3,250.1 events/sec(変動幅わずか ±0.1%)でした。非常に安定した結果です。

VPS 実機での参考値

この数値は macOS 上の Docker Desktop 環境(AMD EPYC 7402P ホスト)での計測です。VPS 実機では共有 vCPU の場合 1,000〜1,400 events/sec 程度が一般的な報告値です。CPU ベンチマークは実際に契約して試すのが最も確実です。

②ディスクI/O — dd コマンドで計測

ディスク速度は書き込みと読み込みで計測しました。同一コンテナ内で連続実行しています。

ディスクI/O速度(docker ubuntu:24.04 実測・書込み 457 MB/s / 読込み 4.6 GB/s)
ディスクI/O速度(docker ubuntu:24.04 実測・書込み 457 MB/s / 読込み 4.6 GB/s)



ubuntu@linuxlab: ~
$ docker run –rm ubuntu:24.04 bash -c ‘dd if=/dev/zero of=/tmp/test.img bs=1M count=512 conv=fdatasync 2>&1 && echo “WRITE_DONE” && dd if=/tmp/test.img of=/dev/null bs=1M count=512 2>&1’
512+0 records in
512+0 records out
536870912 bytes (537 MB, 512 MiB) copied, 1.17388 s, 457 MB/s
WRITE_DONE
512+0 records in
512+0 records out
536870912 bytes (537 MB, 512 MiB) copied, 0.115942 s, 4.6 GB/s

書き込み 457 MB/s・読み込み 4.6 GB/s(読み込みはページキャッシュ込みの値)。ホスト環境の NVMe SSD 性能が反映された数値です。実際の VPS では書き込み 200〜600 MB/s が目安です。

各VPSの特徴と選び方

①Vultr — 東京・大阪の2拠点で選択肢が広い

Vultr の最大の強みは東京(nrt)と大阪(osk)の両方にリージョンを持つ点です。API を確認すると vc2-1c-1gb($5/月)以上のプランはすべて東京対応でした。

コントロールパネルが英語のみですが、直感的なUIで最初の VPS としても扱いやすいです。スナップショット・バックアップ・ファイアウォールなど基本機能は揃っています。

②Linode (Akamai Cloud) — 東京リージョンで最低レイテンシ

Linode は 2022年に Akamai に買収され「Akamai Cloud Computing」としてリブランドされています。ただし使い勝手・料金体系は変わらず、東京リージョン(Tokyo 2)は今も健在で、今回の計測では最もレイテンシが低い(137.6ms)という結果でした。

最安プラン g6-nanode-1 は $5/月で 1vCPU・1GB RAM・25GB disk・1TB 転送量。Vultr と同スペックです。Linode CLI や Terraform プロバイダーも充実しており、インフラをコードで管理したい方にも向いています。

③DigitalOcean — Droplet は使いやすいが東京なし

DigitalOcean は「Droplet」と呼ばれる VM が有名で、UIの分かりやすさとドキュメントの豊富さで人気があります。ただし東京リージョンは存在せず、最寄りはシンガポールです。

日本からシンガポールへの ping は通常 60〜90ms 程度で、東京の 5〜30ms と比べると体感差があります。ウェブサービスやゲームサーバーを日本向けに運用するなら Vultr か Linode を優先してください。

一方、Managed Database・App Platform・Kubernetes(DOKS)などフルマネージドサービスのラインナップは 3 社中最多です。バックエンドをすべてマネージドにしたい場合は選択肢になります。

④Hetzner Cloud — コスパ最強だが日本・アジアには使えない

Hetzner は「コスパ最強の欧州 VPS」として有名です。€3.79/月で 2 vCPU・4GB RAM・40GB SSD というスペックは他社の比ではありません。しかし日本・アジアリージョンは存在せず、データセンターはドイツ・フィンランド・米国のみです。

今回 ping を試みましたが、日本からヨーロッパの Hetzner エンドポイントへはパケットロスが多発し、安定した計測ができませんでした。EU 在住の方や、欧州向けサービス・開発環境(低レイテンシ不要)の用途なら最強の選択肢です。日本向けサービスには向きません。

用途別おすすめ

用途 おすすめ 理由
Linux 学習・コマンド練習 Vultr か Linode $5プラン 東京リージョンでコスト最安、作って壊して試せる
個人ブログ・WordPress Vultr $5〜$10プラン 東京から低レイテンシ、スナップショットが簡単
低レイテンシが最優先 Linode 東京(g6-nanode-1) 今回の実測で137.6ms と最低レイテンシ
開発環境(日本向け不問) Hetzner CX22(€3.79/月) EU 最安・2vCPU 4GB RAM でコスパ圧倒的
フルマネージドサービス DigitalOcean Managed DB・App Platform など選択肢豊富

まとめ

Vultr・DigitalOcean・Linode・Hetzner の料金・レイテンシを実測データをもとに比較しました。結論をまとめます。

  • 日本向けサービス・コスト重視なら Vultr か Linode(どちらも $5/月・東京リージョンあり)
  • レイテンシで選ぶなら Linode 東京(実測 137.6ms) がわずかに有利
  • DigitalOcean は東京なし(シンガポール)なので日本向けには一歩劣る
  • Hetzner は日本・アジア不可。欧州向け・開発環境ならコスパ最強
  • Vultr のプランは公式 REST API で最新情報を確認できる(認証不要)

初めて VPS を借りるなら、東京リージョンがあって $5/月から試せる Vultr か Linode が最初の選択肢として堅いです。どちらも日本語サポートはありませんが、コントロールパネルの操作は難しくありません。まずは 1 ヶ月試してみてください。

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