「Ollamaでどのモデルを使えばいいか分からない」——これ、Ollama入門者がほぼ全員ぶつかる壁です。DeepSeek、Qwen、Llama、Gemmaと種類が多すぎて、どれを選べばいいか迷いますよね。
結論から言うと、2026年時点で最初に試すべきは qwen3:0.6b です。本記事で実際に5モデルを計測したところ、254.8 tok/s とダントツの最速で、サイズも522MBと軽量。RAMの少ないPCやVPSでも動きます。
本記事では、Ollama 0.30.8(2026年6月時点の最新版)で実際にモデルを動かし、トークン生成速度を実測した数字と、/api/tags から取得した本当のスペックをもとに主要5モデルを比較します。想像で書いた数字は一切使っていません。「どれを使うべきか」に直接答える記事を目指しました。
この記事のポイント
- 実測ベンチで
qwen3:0.6bが最速(254.8 tok/s)と判明 - 面白い発見:パラメータが多い
qwen3:0.6b(751.63M)が、より小さいqwen2.5:0.5b(494.03M)より速い - DeepSeek・Qwen・Llama・Gemmaの4系列を用途別に比較
ollama pull モデル名でモデルは1コマンドで取得できる- 0.5B〜0.6Bの小型モデルは高速だが、日本語の品質は荒い。本格利用は7B以上+GPUが現実的
目次
- Ollamaとは
- 2026年版 主要モデル一覧と実測スペック
- モデル系列別 詳細比較
- 実測トークン速度ベンチマーク
- 用途別の選び方
- ollama pull でモデルを取得する手順
- よくある質問とエラー
- まとめ
Ollamaとは
Ollamaは、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM=大量のテキストで学習した文章生成AI)を自分のPC・サーバー上でローカル動作させるためのツールです。インターネット接続なし、APIキーなし、月額料金なしで、オープンソースのAIモデルをコマンド1つで動かせます。
2026年6月時点での最新バージョンは 0.30.8。Ollamaはバックグラウンドでサーバーとして常駐し、localhost:11434 でREST API(HTTP経由でコマンドを受け付ける窓口)を待ち受けます。実際に叩いて稼働を確認した結果がこちらです:

本記事の計測環境は ollama --version で ollama version is 0.30.8 と表示される状態です。macOS・Windows・WSL2・Ubuntu のいずれでも同じコマンド体系で動作します。
計測環境について
本記事の速度ベンチマークは Apple Silicon(M1 Max)/ macOS 15.5 / Ollama 0.30.8 で計測しています。Apple Silicon では Ollama がデフォルトで GPU(Metal)を使うため、純粋なCPUのみの数字ではなく「Apple Siliconの標準設定」での実測値です。NVIDIA/AMDのGPUがあるPCや、CPUのみのVPSでは数字が変わります。
2026年版 主要モデル一覧と実測スペック
Ollamaで使えるモデルは2026年時点で数百種類あります。ただ、初心者が最初に試すべき主要モデルは以下の5つに絞られます。いずれも実際に ollama pull で取得し、REST APIの /api/tags(ローカルに保存済みモデルの一覧を返すエンドポイント)から取得した本物のスペックです。

ここで1つ注意点があります。タグの数字とパラメータ数の実体はズレることがあります。たとえば deepseek-r1:1.5b は「1.5b」というタグですが、/api/tags が返す実際のパラメータ数は 1.8B でした。gemma3:1b も実体は 999.89M(ほぼ1B)です。タグはあくまで目安と考えてください。
また、llama3.2:1b だけは量子化(モデルを軽くする圧縮方式)が Q8_0(8ビット高精度)なので、同じ1Bでもファイルサイズが約1.3GBと他より大きくなっています。残りの4モデルはより圧縮率の高い Q4_K_M(4ビット)です。
ブラウザで操作できる Open WebUI を Ollama につなぐと、保存済みモデルが一覧で見えます。実際にモデル選択メニューを開いた画面がこちらです:

同じ一覧は ollama list コマンドや、REST APIの /api/tags をブラウザで開いても確認できます:

モデル系列別 詳細比較
①DeepSeek-R1(推論特化・中国発)
DeepSeekは中国のAIスタートアップが開発した推論特化モデルです。最大の特徴は回答する前に「考える過程(reasoning)」を展開すること。数学・論理問題・コードのデバッグなど、ステップごとに筋道を立てるタスクに強いです。
Ollama 0.30.8 では、この思考内容は回答本文とは別の「thinking」ストリームに入ります(ollama run では「Thinking…」として表示されます)。実際に「2の10乗は?」と聞くと、内部で 2^1=2, 2^2=4 ... と段階的に計算してから 1024 という答えを返してきました。これは実際に動かして取得した出力です。
pulling manifest
pulling … ████████████████ 100% 1.1 GB
success
$ ollama run deepseek-r1:1.5b “What is 2 to the power of 10?”
Thinking…
First, 2 raised to a power means multiplying 2 by itself…
…done thinking.
To find 2^10, we calculate step by step:
2^1=2, 2^2=4, … 2^10 = 1024
Final Answer: 1024
実測速度は 154.8 tok/s。本記事の5モデル中では遅い部類ですが、思考を挟むぶん回答の筋道が立ちます。1.5b のほかに 7b・8b・14b・32b・70b もあり、精度が必要なら大きいモデルを選びます。
②Qwen(クウェン)系列(軽量・高速の主力)
Qwenはアリババが開発するモデル系列で、軽量さと速度のバランスが本記事で最も優秀でした。0.5B〜0.6Bという極小サイズでも、ちゃんと文章を生成してくれます。
2026年時点では Qwen3(最新世代)と Qwen2.5(前世代)の2系列が使えます。
qwen3:0.6b:最新世代。思考モード対応。本ベンチで最速の 254.8 tok/s(751.63M / 522.7MB)qwen2.5:0.5b:前世代。安定して高速で 236.2 tok/s(494.03M / 397.8MB)qwen2.5:7b:本格的な日本語利用にはこちら(7Bパラメータ、GPU推奨)
pulling manifest
pulling … ████████████████ 100% 522 MB
success
$ ollama run qwen3:0.6b “Linuxとは何ですか?1文で。”
Linuxは、Unix系のカーネルをベースにしたオープンソースの
オペレーティングシステムで、サーバーからデスクトップまで
幅広く利用される。
正直な注意:小型モデルの日本語品質
実際に qwen3:0.6b や qwen2.5:0.5b に日本語を出させると、たまに「カーネル」を別の語に取り違えたり、不自然な助詞が混じったりします(0.5B級は容量がごく小さいモデルです)。速度と軽さは魅力ですが、仕事で使える日本語品質を求めるなら 7B 以上のモデル+GPUが現実的です。本記事の数字はあくまで「速度」の比較である点に注意してください。
③Llama(ラマ)系列(Meta製・英語強・コード向き)
MetaのLlamaシリーズは、英語テキスト・コード生成に強い「オープンソースAIのデファクト」です。実際に llama3.2:1b に「数を2乗する関数を書いて」と英語で頼んだら、一発でこのコードを返しました(実出力):
“`python
def square(num):
return num ** 2
“`
llama3.2:1b:1.2Bパラメータ。量子化Q8_0(8ビット高精度)。速度 185.0 tok/sllama3.2:3b:3Bパラメータ。品質と速度のバランス型llama3.1:8b:8Bパラメータ。VRAM 8GB以上推奨
英語ドキュメントを扱う・英語でコードを書くなら Llama が有利な場面が多いです。日本語メインなら Qwen を選ぶ方が無難でした。
④Gemma(ジェマ)系列(Google製)
GoogleのGemmaシリーズは、上位サイズでマルチモーダル(画像+テキスト)に対応するのが特徴です。ただし、本記事のテキスト生成ベンチでは gemma3:1b が 146.8 tok/s と最も遅い結果でした。
gemma3:1b:999.89M(≒1B)。速度 146.8 tok/s(本ベンチ最遅)gemma3:4b:4Bパラメータ。品質が大幅に向上(GPU推奨)gemma3:12b:12Bパラメータ。本格マルチモーダル(VRAM 16GB以上推奨)
実測トークン速度ベンチマーク
実際に5モデルを同条件で計測した速度データがこちらです。同一の3プロンプト(日本語汎用・Pythonコード生成・英語QA)を各モデルに送り、それぞれ2回・計6回計測した平均トークン/秒を出しました。数値は /api/generate が返す eval_count(生成トークン数)と eval_duration(生成時間)から算出しています。

計測環境:Apple M1 Max / macOS 15.5 / Ollama 0.30.8 / Apple Silicon(Metal)デフォルト / 2026-06-15
結果の読み方:
- Qwen3 0.6B:254.8 tok/s(最速)——最新世代の恩恵で、0.6Bという小ささでダントツ
- Qwen2.5 0.5B:236.2 tok/s——前世代だが安定して高速
- Llama3.2 1B:185.0 tok/s——
Q8_0の高精度量子化のぶん、やや重い - DeepSeek-R1 1.5B:154.8 tok/s——実体1.8Bと大きめで、最も安定(変動幅154.0〜156.1)
- Gemma3 1B:146.8 tok/s——本ベンチでは最遅
ここで驚いたのが、qwen3:0.6b が同系列の qwen2.5:0.5b より速いにもかかわらず、パラメータ数はむしろ多いことです(751.63M vs 494.03M)。普通は「パラメータが多い=重い=遅い」と考えますが、アーキテクチャの改善で、パラメータが増えても速くなるという最新世代の進化を実感しました。
参考までに、同じマシンの素のCPU性能を sysbench で測ると 15,326 events/sec(3回平均、15,299〜15,374)でした(Ubuntu 24.04 Dockerコンテナで計測)。CPUが速いマシンほどローカルLLMも速くなります。
用途別の選び方

具体的なシチュエーション別に推奨モデルをまとめます。
| シチュエーション | 推奨モデル | 理由 |
|---|---|---|
| 初めてOllamaを試す | qwen3:0.6b |
実測最速・522MBで軽量 |
| 日本語の品質を求める | qwen2.5:7b |
小型は日本語が荒い。7B+GPU推奨 |
| Pythonコードを書かせたい | llama3.2:3b / qwen2.5-coder:7b |
コード生成に強い系列 |
| 数学・論理推論をさせたい | deepseek-r1:7b |
思考プロセスで筋道を立てる |
| 画像も扱いたい | gemma3:4b / llava:7b |
マルチモーダル対応 |
| VPS(RAM 1〜2GB)で動かす | qwen3:0.6b / qwen2.5:0.5b |
397〜522MBで最軽量 |
RAM別の現実的な選択肢
- RAM 4GB以下:
qwen3:0.6b・qwen2.5:0.5bのみ現実的 - RAM 8GB:上記 +
llama3.2:3b・gemma3:4bまで - RAM 16GB + GPU VRAM 8GB:
qwen2.5:7b・deepseek-r1:7bが快適に動く - RAM 32GB以上 + GPU VRAM 16GB以上:
llama3.1:70b・deepseek-r1:70bも視野に
ollama pull でモデルを取得する手順
モデルのダウンロードは ollama pull モデル名 の1コマンドです。まず Ollama がインストールされていることを確認してください。本記事のコマンドは Ubuntu 24.04.4 LTS(公式Dockerイメージ)で動作確認しています。

Ubuntu 24.04 LTS への Ollama インストール手順はこちら:Ubuntu へのOllamaインストールガイド
モデルを取得する基本コマンド:
$ ollama pull qwen3:0.6b
pulling manifest
pulling … 100% 522 MB
success
# ダウンロード済みモデルを確認
$ ollama list
NAME ID SIZE MODIFIED
qwen3:0.6b 7df6b6e09427 522 MB a minute ago
# 試しに動かす
$ ollama run qwen3:0.6b “こんにちは!”
こんにちは!何かお手伝いできることはありますか?
複数モデルをまとめて取得したい場合はシェルスクリプトが便利です:
ollama pull “$model”
done
success # qwen3:0.6b
success # qwen2.5:0.5b
success # llama3.2:1b
モデルを削除したい場合
ストレージを節約したい場合は ollama rm コマンドで削除できます:
deleted ‘gemma3:1b’
よくある質問とエラー
Q. ollama pull が途中で止まる
ネットワークの切断が原因です。ollama pull は再実行で途中から再開できます。VPS やクラウドサーバーで実行している場合は screen や tmux(セッションを維持するツール)でセッションを保ってください。
$ tmux new -s ollama-pull
$ ollama pull qwen2.5:7b
# Ctrl+B, D でセッションをデタッチして別の作業ができる
Q. モデルの種類(タグ)はどこで確認できる?
公式ライブラリは https://ollama.com/library で確認できます。各モデルページに :1b・:7b・:14b などのタグ(サイズ別バリアント)が一覧表示されています。
ローカルに保存済みのモデルは、REST API でも確認できます:
$ curl -s http://localhost:11434/api/tags | python3 -m json.tool | head -16
{
“models”: [
{
“name”: “qwen3:0.6b”,
“size”: 522653767,
“details”: {
“parameter_size”: “751.63M”,
“quantization_level”: “Q4_K_M”
}
}
]
}
Q. どのモデルがいちばん日本語が上手い?
本記事で検証した0.5B〜1.5Bの軽量モデルは、正直どれも日本語に粗があります(速度は出ますが、語彙の取り違えが起きます)。日本語品質を重視するなら 7B 以上、特に qwen2.5:7b が現時点でのおすすめです。ただし7Bはサイズが約4.7GBあり、快適に動かすには GPU(VRAM 8GB程度)か十分なRAMが必要です。
Q. Open WebUI と組み合わせると何が変わる?
Open WebUI を使うと、ChatGPTライクなブラウザUIでモデルを切り替えながら使えます。本記事のスクリーンショットのように、保存済みモデルがメニューに一覧表示され、クリックで切り替えられるのでモデルの比較検討に非常に便利です。詳しくはこちらの記事を参照してください:Open WebUI を Ollama につなぐ手順
まとめ
Ollamaで使えるモデルを実測データで比較しました。要点を整理します:
- 速度最優先なら
qwen3:0.6b(実測254.8 tok/s・522MB・最新世代) - 軽量で安定なら
qwen2.5:0.5b(236.2 tok/s・397.8MB) - 論理推論・数学なら
deepseek-r1(思考プロセスで筋道を立てる。実測で 2^10=1024 を導出) - 英語・コード生成なら
llama3.2(Meta製。square関数を一発で正答) - 0.5〜0.6Bは高速だが日本語は荒い。本格的な日本語利用は 7B 以上+GPU が現実的
まずは ollama pull qwen3:0.6b の1コマンドから始めてみてください。522MBのダウンロードが終わったら、その場で ollama run qwen3:0.6b "Linuxとは?" と打つだけでローカルAIが動き出します。
Ollama のインストール手順は「Ubuntu へのOllamaインストールガイド」も合わせてご覧ください。7B以上のモデルを快適に動かしたい・自宅PCに負荷をかけたくない、という方は、GPU付きのVPS(Vultr の Cloud GPU プランなど)を借りるのも手です。



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